
田中 均
第46回
ギリシャ問題は短期的には収拾されたかに見えるが、二つの根源的な問題を浮かび上がらせた。第一にEU分断のリスク、第二にロシアや中国の影響力拡大の可能性である。これらは日本にとっても対岸の火事ではない。

第45回
習近平総書記が掲げる「中国の夢」実現を目指し、同国は急速に動いている。東シナ海や南シナ海における攻撃的な行動、米国との「新型大国関係」の提唱、「一体一路」構想、そしてAIIB。日本はどう向き合うべきか。

第44回
今後数ヵ月の間に、日本は幾つかの外交・安全保障の課題について重要な節目を迎える。それらに対する政府の判断は、日本の国益に大きくかかわってくる。国際社会の関心も高いが、安倍政権はどう答えていくのか。

第43回
AIIBの参加問題は、急速に台頭する中国とどう向き合うかの極めて重要なテストケースだ。中国、米国や欧州の意図、そして経済的利益を考えれば、日本はADBでの知見を使って能動的に動くべきである。

第42回
イランの核問題交渉が大きな山場を迎えている。3月末に枠組み合意の期限が迫るが、交渉が決裂すれば、世界はここ数年で最大と言っても過言ではない危機を迎える。無論、その影響は日本にも及ぶ。

第41回
集団的自衛権の行使容認をはじめとする安全保障体制の改革は、わが国の将来にとって極めて重要だ。国内外で高まる懸念を払拭するためには、日本の立ち位置を明確化し、その趣旨を分かりやすく説明しなければならない。

第40回
テロによる言論抑圧、戦後70周年を迎える日本の外交、そして北朝鮮やイスラム国の脅威。2015年は、日本を巡る国際関係が一層複雑化していく。課題山積の国際情勢はどう推移していくのか。慎重に見極めるべき「7つのテーマ」を挙げよう。

第4回
2015年を予想する上で、ポイントは何か。戦後70年の節目、増税再々延期、集団的自衛権、日中関係、原油価格の暴落……。経営者、識者の方々に、15年を読み解くための5つのポイントを挙げてもらった。第4回は、田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長に話を聞く。

第39回
総選挙後の日本が細心の注意を払って取り組まなければならない課題として、歴史問題がある。注視すべきは、中国・韓国のみならず、米国でも批判が強まっていることだ。戦後70周年を迎える今、日本はこの問題にどう相対するべきか。

第38回
先日中国が主催したAPEC首脳会議は、国際社会の変動を象徴し、アジア太平洋地域のパワーバランスの変化を如実に示した。日中首脳会談は、国際会議の場を使った交流としての色彩が強かった。今後日米は新秩序に向けて、どう動くべきか。

第37回
朝日新聞の従軍慰安婦報道問題も相まって、韓国の対日感情や日本の対韓感情は悪化の一途を辿っている。困難な日韓関係を打開するには、どうすべきか。筆者が持ち続けてきた「大人の関係づくり」というポリシーを基に、提言したい。

第36回
9月18日にスコットランドで、独立の是非を問う住民投票が実施される。もしかの国の独立が実現すれば、影響は英国に止まらず、広く世界全体へ広がることとなるだろう。英国に外交官として長年滞在した筆者の視点から、課題を論じたい。

第35回
日本の対外関係の中で、将来に向けて最も懸念すべきは、実は対米関係ではないかという危惧を持つ。直面する「2015年問題」をはじめ、日米を取り巻く環境変化の背景と課題を探ってみよう。日米関係は、本当に大丈夫だろうか。

第34回
日中、日韓の関係はどんどん悪化している。その背景には、歴史問題や領土問題だけでなく、中国・韓国の経済成長や東アジアにおける米国の立ち位置の変化など、複雑な要因が横たわる。語られなかった悪循環を止める方法をお伝えしよう。

第33回
ウクライナ問題をはじめ、変動期にある世界情勢の変化が一層明確となって来た。その構造変化の影響を最も強く受けるのが、東アジアだ。この地域で核を成す米中日の関係を軸に、今後日本が東アジアでとるべき立ち位置について考えたい。

第32回
安保法制懇が安倍総理に提出した報告書では、集団的自衛権の行使容認にむけての憲法解釈の変更が中心課題であるかのように報じられているが、これは正しい問題設定ではない。真に議論すべきは問題設定の在り方と安全保障の法的整備だ。

第31回
日中が軍事的衝突に至る可能性は50%。先日私が参加したソウルのシンポジウムで、およそ500名の聴衆に投票を求めた結果である。国際社会で欧米やアジアの多くの人々が尖閣諸島を巡り日中で軍事衝突が起こる蓋然性は決して低くないと思っていることも事実なのだろう。

第30回
クリミアの住民投票で9割の人々がロシアへの編入を支持した結果に、世界は危機感を募らせている。欧米とロシアの対立が懸念されるなか、日本もウクライナ情勢を無視できなくなった。日本が重大な影響を被りかねない5つの理由を考察する。

第29回
現在、国際社会が日本に注目している最大のポイントは、日中・日韓関係をめぐる歴史問題だろう。歴史問題は日本の国際的地位を低下させかねない。知的指導者は、ナショナリズムを助長させる国民の不満を未来志向へ変えることが必要だ。

第28回
国家安全保障会議の創設、国家安全保障戦略策定、集団的自衛権の憲法解釈変更などの動きが、耳目を集めている。現在の日本の安全保障体制に関する議論には、どんな課題があるか。我々はこれまでの経緯をどう見て、今後どう議論すべきか。
