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河野龍太郎
日銀の前総裁が在り方を問う 民主主義の下での“中央銀行”
評者の近年の関心事の一つは、政府と中央銀行との関係である。1990年代以降、私たちは“決める政治”を目指し、選挙制度や執政制度を大きく変えてきた。その結果、官邸主導に移行したが、自立性や専門性の発揮が期待される金融政策にも強い政治圧力が加わるようになった。

日銀の最近の金融政策は超金融緩和長期化の副作用の軽減が主眼になっているが、念頭に置くべき本当の問題は、緩和の長期化が経済の資源配分や所得配分をゆがめ、潜在成長率の低下を招く「弊害」が強まっていることだ。その結果、金融政策の有効性もさらに低下している。

焼却されたはずの報告書から日米開戦時の矛盾を徹底分析
なぜ、日本は勝ち目のない対米戦争を開始したのか。通説は、経済学者が無謀と主張するも、それを軍が握り潰(つぶ)して開戦に踏み切ったというものだ。本書は、新たに発見された資料を元(もと)に、気鋭の経済史家が通説を覆す日米開戦史である。

リーマンショックから10年、金融規制強化など危機の芽を摘む努力がされた一方で、バブルを作ることでしか完全雇用が実現しない「不都合な真実」がある。それをもたらしたのは「労働節約的なイノベーション」だ。

なぜ大企業は失敗するのか?経営の問題に経済学者が挑む
「トップ企業も、組織的、心理的要因でイノベーションに失敗し、新興企業に取って代わられる」。米ハーバード大学の著名な経営学者、クリステンセン教授が『イノベーターのジレンマ』(原題)でこう論じたのは1997年。世界的なベストセラーは、20年後の今でも世界中の経営者が座右の書として挙げる。

日銀が7月末、なぜ物価が上がらないかを探る「物価検証」をするのは、追加緩和をしない理由付けを狙ったものだ。だがいずれは異次元緩和策自体の失敗を認める「第二次総括検証」が必要になる。

グローバリゼーションの先頭を走っていた米国でトランプ政権が誕生し英国が「EU離脱」するなど、保護主義が一気に強まったのは、「第2次グローバリゼーション」が新たな段階に入った可能性があるからだ。
