宮家邦彦
イラン・イスラム革命政権の“終わりの始まり”…40年たっても中東の「イスラム主義統治」が難航するワケ
2025年末にイランの首都テヘランで始まった政府への抗議デモは、ついに185都市以上に広がった。治安部隊との衝突により、2000人以上が命を落とす深刻な事態となっている。イラン・イスラム革命によって「宗教の名の下にまとまった」はずのイランで、なぜこれほど激しい遠心力が噴き出しているのか。中東情勢が安定しない根本原因を、元外務省中東アフリカ局参事官の筆者が読み解く。※本稿は、元外務省中東アフリカ局参事官の宮家邦彦『中東 大地殻変動の結末 イスラエルとイランをめぐる、米欧中露の本音と思惑』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦氏が、現在の日本の外交・安全保障政策に通じる安倍晋三元首相の足跡を分析。約40年来の付き合いがあった安倍氏への追悼の意を込め、寄稿した。

コロナ禍の中で激変する国際情勢。株式市場では今や、地政学リスクの高まりが相場を動かす一大材料となっています。対立悪化が進む米中関係、11月の米大統領選、ヒートアップする中国の軍事的行動……。日本を取り巻く安全保障環境が劇的に変貌する中、個人投資家の目線でも気になるのが、市場リスクの“大元”となる国際情勢の行方です。

イラン国営メディアは8日未明、イラク西部の米軍と有志連合軍が駐留する空軍基地にミサイル攻撃を行ったと報じた。これを受けて米国・イラン双方から伝わってくる公開情報は極めて興味深い。今後の米イラン関係をいかに読むべきか。現時点での見立てを解説しよう。

サウジアラビア王室が関与した「記者殺害」の背景には、イラン台頭によるサウジ、イラクの3大国の力のバランス変化やトルコの「中東回帰」、米軍のプレゼンス低下などがある。中東湾岸地域は20世紀初頭以来の歴史的変動期を迎える可能性がある。
