
門田真一郎
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4年半ぶりの利下げが決定されると予想される。今後の利下げペースを検証しつつ、ドル円の行方、その方向を左右する要因について検証する。

為替市場でドル/円相場は、一時160円台に乗せた後、為替介入が伝わると152円を割り込むなど乱高下している。では、今後はどのような方向性をたどるのか。当面はドル高圧力が続きそうと考える「三つの根拠」について、バークレイズ証券の門田真一郎為替債券調査部長の分析を明らかにする。

海外の中央銀行が再びタカ派姿勢を示しているのに対し、日本銀行はハト派的な政策を続けている。このため、円は幅広い通貨に対し下落しているが、バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは、円安が勢いづく中でも、中期的な円高シナリオを維持している。その理由を解説した。

3月上旬に始まった世界的な銀行不安は、広く予想されていた日本銀行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策撤廃のタイミングを含め、世界の金融政策正常化の行方を巡る不確実性を高めた。だが、バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは、日銀の政策正常化があってもなくても、向こう1年は円高が進むと予見する。

ドル円相場は昨秋の急上昇(円安)が一巡後は揺り戻しが続き、12月の日本銀行の政策修正がさらなる下落を促した。この先もドル円相場は下落(円高)の方向性をたどる可能性が高い理由について、3つのポイントから解説した。

急速な円安が進んでいるが、バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは、ドル円相場の高値が徐々に後退すると展望。三つの理由から、記録的円安が「反転」に向かうとのシナリオを描く。
