
芳賀恒人
タレントの中居正広さんと女性とのトラブルに、フジテレビ社員が関与していたとの報道を巡り、スポンサー企業がフジテレビへのCM出稿を差し止める動きが拡大している。こうした対応は自社を中心として捉えた危機管理としては正しいだろう。だが、それだけでは十分な対応とは言えない。問題となる構図はフジテレビだけの問題ではないだろうし、テレビ局と芸能界、スポンサーの間の「無法地帯」に厳しく切り込んでいくことが必要だ。

12月8日、岡山県・兵庫県・愛知県・三重県の公安委員会は、池田組と六代目山口組をより厳しく取り締まる「特定抗争指定暴力団」に指定した。暴力団の生き残りをかけた戦いが、熾烈(しれつ)さを増している。公安や警察は暴力団の「自壊」を狙い、取り締まりを強化。一部の組では組員の高齢化も進む。反社会的勢力に詳しい筆者は、離脱者支援(とりわけ就労支援)が最後の重要なピース、切り札になると説く。

「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行氏が2013年に射殺された事件が、新展開を迎えている。一連の事態は単純な構図ではなく、真相解明は緒に就いたばかりだ。危機管理や反社会的勢力排除の専門家が、企業の反社リスク対策の見直しを、具体的な2段階チェックポイントも含めて指南する。
