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渡辺 努
前編では、10年物国債金利の他に「オーバーナイト金利」を市場に委ねる選択肢があることを紹介した。後編では、市場が決定するオーバーナイト金利の水準がどのような値になるかを試算した。浮かび上がったのは、長年にわたり議論されてきたゼロ金利の壁だ。

日本銀行が国債の大量購入に迫られていることから、「固定された長期金利を市場に委ねよ」という定番の主張がある。実はここには、見逃されているもう一つの極めて重要な市場がある。日銀は“二兎”を追うが故に、不均衡から逃れられないのだ。

2022年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%で、41年ぶりの上昇幅となった。しかし、物価を表すのはCPIだけではない。ニュースになるCPIとは、「見た」価格を集計した指標の一つにすぎないのだ。「買った」価格の指標を合わせて見ると、データに隠れるさまざまな事実と課題が分かるようになる。実は「値段を見て買うのをやめる」人が急増していたのだ。
