鈴木一人
イーロン・マスクも、中国とロシアも注目すべき「他国の衛星を捕捉・除去する」日本のすごい技術
イーロン・マスクをはじめ、多くの民間企業が宇宙ビジネスに参入し、いまや地球のまわりは衛星だらけ。加えて中国・ロシアによる衛星破壊実験の結果、デブリ(衛星の残骸など)が急増している。こうした無秩序のフロンティア状態にあって、日本はどうやって存在感を世界に示していけばいいのだろうか。経済と安全保障が交錯する「地経学」の最前線にあって、専門家の鈴木一人氏に解説してもらった。※本稿は、政治学者の鈴木一人『地経学とは何か 経済が武器化する時代の戦略思考』(新潮選書)の一部を抜粋・編集したものです。

データセンター誘致競争で世界が注目する、日本の「カーボンフリー安定電源」とは?
生成AIの発展には大量のデータを収集して学習するプロセスが不可欠だが、そうした巨大なデータを保存しておくデータセンターは、どこに置くべきだろうか。地政学に経済安全保障の視点を加えた「地経学」の第一人者である著者によれば、日本がデータセンターの候補地として世界から注目を浴びているという。※本稿は、政治学者の鈴木一人『地経学とは何か 経済が武器化する時代の戦略思考』(新潮選書)の一部を抜粋・編集したものです。

TSMC熊本工場への補助金1兆2000億円は「地経学的にはプラス」の理由
必要な性能の半導体を、必要なときに必要な量を確保できるか。それはもはや一企業の事業計画を左右するレベルにとどまらず、国家の経済安全保障上の最優先課題になっている。米中の対立が深まるなか、各国ともに半導体サプライチェーンの強化に躍起になっているが、日本はどう立ち振る舞うべきなのか?地政学に経済安全保障の観点を取り入れた「地経学」の第一人者が、日本が取るべき方針を提示する。※本稿は、政治学者の鈴木一人『地経学とは何か 経済が武器化する時代の戦略思考』(新潮選書)の一部を抜粋・編集したものです。

「強い国」実現を掲げる高市政権だが、大国の力による国際秩序へとシフトが進むなかで日本が国益を確保するには他国にとって日本が不可欠な存在であるという「地経学的パワー」が重要だ。素材や工作機械などモノ作りの上流での技術優位や自由貿易圏の拡大のほか、サプライチェーン多元化や先端分野での投資拡大などで戦略的自立性を高める必要がある。

#11
米大統領選挙後の米国の経済安全保障政策は、ハリス氏が雇用維持、トランプ氏は関税強化と重点は違うが、どちらの政権となっても強化される。中国との覇権争いという構造的要因があり、グローバル化の流れは変わって日本企業にとっても米国は「自由で開かれた市場」ではなくなる。
