【NISA投信グランプリ2024】新NISAで買える本当にいい投資信託の「3つの選定基準」とは? 「成績」「損しにくさ」「安定性」をザイが採点

【NISA投信グランプリ2024】新NISAで買える本当にいい投資信託の「3つの選定基準」とは? 「成績」「損しにくさ」「安定性」をザイが採点

2024年4月19日公開(2024年4月18日更新)
ダイヤモンド・ザイ編集部
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個人投資家目線で「本当にいい投資信託」を選ぶというコンセプトのもと、2023年から始まったザイの「投信グランプリ」。今年で2度目の投信グランプリは、新NISAで買える投資信託に対象を絞り込み、最優秀・優秀賞を発表。その「完全な実力主義」による評価の基準について解説しよう。

”運用会社が売りたい”投資信託や、”知名度が高いだけ”の投資信託は排除​​

 2回目を迎える今年の「投信グランプリ」は、対象を新NISAで買える投資信託に限定し、「NISA投信グランプリ」として優秀な投資信託を発表する。

 まずはベースとなる基準について。ザイの「投信グランプリ」は、成績の数値のみを基とした完全な”実力主義”で評価している。知名度や注目度、ましてや運用会社が”売りたい”投資信託かどうかは基準から排除している。

 ベースの基準の1つ目として「みんなが買っている分野に限定」した。投資初心者が悩まないように、「高配当」「割安」「成長」などと運用スタイル別には細分化せず、6部門で表彰。買っている人も多く、運用によって成績に大きな差が出やすい株式型をメインに選定している。

プレゼンター

 ベースの基準2つ目として「規模が小さすぎる投資信託を除外」した。投資信託は規模が小さすぎると途中で運用をストップする場合がある。こういった投資信託を選ばないため、純資産10億円以上の投資信託に限定して評価している。また、新NISA対象なので、償還まで20年以上ある。

 ベースの基準3つ目は「5年以上の運用実績がある」こと。投資信託の本当の実力がわかるのは「5年」。「3年」や「1年」だと、特定の相場要因や相場の循環に左右された結果が出やすいからだ。したがって5年以上の運用実績があることが条件だ。ただし、今回から「5年」だけでなく「3年」「1年」の評価も加えた。

 なお、運用期間が5年未満の投資信託については、1年と3年の期間で評価した「フレッシャー賞」として表彰。また、人気があるにもかかわらず、成績が振るわない投資信託については、今後に期待する意味を込めて「もっとがんばりま賞」として紹介する。

選定基準1:どれだけ上がったか(300点満点)​​

 上記のベースとなる基準にしたがって投資信託を絞り込んだ上で、「3つの基準」の合計点で評価している。

 1つ目の基準は「基準価額がどれだけ上がったか」。ザイの投信グランプリで最も重点を置いているのがこの基準だ。

 前回は「5年」のみの評価だったが、今回から「3年」と「1年」の成績も評価対象に加えた。3つの期間の成績をそれぞれ同部門内で順位付けして100点満点で点数化、その合計点で評価している。つまり、短期・中期・長期のすべてで好成績をあげた投資信託が高得点となる

 これにより、今回から、この「どれだけ上がったか」の評価点の配点が300点になった。

 ちなみに「分配金」を出す投資信託は、出した分配金の分、基準価額が下がる。そのため「分配金再投資の基準価額」の騰落率で評価している。

 ただし、基準価額が上がっていても、TOPIXなどの指数より負けていたら意味がない。指数を下回るということは、低コストのインデックス投信を買う方がいいからだ。したがって、5年の成績において各部門の代表的な指数を下回っている投資信託は、表彰対象外とした。

選定基準2:どんな時も下がらない(100点満点)​​

 投資信託を長期で持ち続けるために、「上がる」ことの次に重視したいのが、いかに「下がらないか」だ。

 価格は常に動いており、投資信託を買う上で一時的な下落は覚悟しなければならない。○○ショックなどと呼ばれる数年に1度は訪れる金融危機もある。ただ、わかっていても保有中に大きく下がってしまうと、ハラハラして思わず手放してしまいたくなることも。

 そこで、ザイの投信グランプリでは、選定基準2で「下がりにくさ」を評価ポイントにしている

 具体的には、2019〜2023年の5年間のうちのどこかの1年間保有した場合の最大の下落率を抽出。その最大の下落率が小さい投資信託ほど高く評価している(どこをとってもプラスの場合は、最低の成績がより大きい投資信託を高得点にしている)。

 各部門で、最大の下落率が最も小さい投資信託を100点、最も大きかった投資信託を0点とした。

選定基準3:ずっと成績優等生(100点満点)​​

 3つめの選定基準は、「ずっと成績が優等生」かどうか

 具体的には、まずは2019年、2020年、2021年、2022年、2023年の各年の基準価額の上昇率を出して、その成績が部門内でどの位置にあるのかを0〜100点で点数化。

 つまり50点以上なら部門内で半分より上位の成績を上げているということ。25点以下なら部門内で下位4分の1の順位ということだ。

 このように部門内で、各年の成績を点数化することで、成績にばらつきがあるのか、ずっと好成績を続けているのかを評価している。

 5年のうち25点以下が2回以上の投資信託は受賞候補から除外した。理想は、各年でずっと50点以上を維持していて、安定的に好成績を維持する投資信託だ。

 各年の評価が定まったら、5年分の総得点を元に各部門内で総合判定している。

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