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持っている株を、よりよいネット証券に引越しさせよう!国内株・外国株の「移管」を利用するには

【第1回】 2012年1月27日公開(2023年1月13日更新)
肥後紀子
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 ここ数年、ネット証券の手数料や商品ラインナップは大きく変わってきている。その結果、すでに利用中のネット証券より、もっと自分の希望に合う証券会社が出てきた…という人もいるのでは?

 そんなときは、新たに口座を開設するだけでなく、すでに保有している株式を移すことも考えてみてはどうだろうか。今回は、国内株・外国株の「移管」の方法を紹介する。

株式移管で得られる3つのメリット

 保有している株式は、現在取引している証券会社の口座から別の証券会社の口座に移すことが可能だ。「移管」によるメリットは、主に3つある。

(1)取引手数料の安いネット証券に移せば、コストが軽減できる
(2)複数の証券会社を使っている場合、まとめることで管理が楽になる
(3)信用取引をしているネット証券にまとめると、担保(代用有価証券)が増える

 いずれもわかりやすいメリットだが、特に(1)についてはここ数年で手数料を大幅に引き下げたネット証券が複数あるため、人によっては移管によって大きなメリットが得られるはずだ。

 なお、米国株や中国株は信用取引の担保にはならないため、移管のメリットは(1)と(2)になる。

 ただ、実際に移管をするには手間がかかる。「わざわざ移管なんてしなくても、とりあえず売却して、新しい証券会社に口座を作ってから同じ銘柄を買えばいい」と考える人も多いかもしれない。

 しかし、含み益の金額によっては、一旦売却をすることで確定申告する必要も出てくる。移管であれば「含み益」のままなので、確定申告する必要もない。

株式移管の手続きの流れと押さえておきたいポイント

 移管の手続きは、どの証券会社でも大まかな流れは変わらない。基本的には移管元(出庫側)の証券会社で所定の書類を入手し、必要事項を記入のうえ、提出する。提出後は1週間~3週間程度で移管手続が完了する。ただし、一部の証券会社では移管先(入庫側)でも所定の書類の記入・手続きが必要となっている。

 手続き自体は特に難しいわけではないが、以下の4つのとおり、押さえておくべきポイントがいくつかある。しっかり準備をしてから手続きを始めるのが、スムーズに移管のためには大切だ。 

【表1】主なネット証券における株式移管の手数料一覧
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(1)出庫には手数料がかかる場合がある

 【表1】のとおり、入庫に関してはどのネット証券も無料だが、出庫の場合は手数料が発生するところもある。

 手数料を払っても移管するメリットがあるかどうか、よく確認してから進めたい。

(2)外国株の移管は対応していない場合も

 外国株はそもそも扱っているネット証券の数が限られているが、同じ国の株を扱っている2社間でも同じ銘柄を取り扱っていない場合には移管できない。

 また、たとえば「中国株は移管できるが、米国株は移管できない」といった制約のある証券会社もあるので注意が必要だ。

【表2】一般口座と特定口座の移管可能な組み合わせ
拡大画像表示

(3)「特定」と「一般」、口座区分が異なると移管できない

 基本的に、移管が可能なのは「特定口座」→「特定口座」、「一般口座」→「一般口座」間に限られる(【表2】参照)。

 そのため、たとえば移管元が「特定口座」で、「一般口座」に移管したいというのであれば、事前に「一般口座」に切り替えるなどの手順が必要になる。

 ただし、「一般口座」の保有株式を「特定口座」に切り替えられる期間はすでに終了していて、どの証券会社でも移管後に「特定口座」に切り替えることはできない。

(4)手続きは余裕がある時期に行なう

 移管の手続きを行なっている間は、売買などの取引はできなくなってしまう。事前に予測するのは難しいが、たとえば相場が激しく動いていて活発に取引したいと思うような時期は外すなど、時期をよく考えて移管の手続きを始めることが重要だ。

 また書類に不備があれば、その分手続き完了までに要する時間が長くなってしまうので、必要事項は正確に記入してスムーズな手続きを目指そう。

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