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第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

知らないうちに「スケープゴート」に・・・。“出世欲”を見透かされ、会社に利用されただけの悲しきプロパー社員

――会社から「問題社員の排除役」を担わされた内田氏のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第15回】 2009年3月23日
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 会社と争う人が増えている。しかし、第三者はうっかりその間に入ってはいけない。汚れ役を嫌う会社の上層部に利用され、ヘタをすると「返り血」を浴びることがあるからだ。

 今回は、出世の遅れに悩んでいた中堅プロパー社員が、上司の命令により、会社と対立する問題社員の排除役を担わされ、結局最後は本人が知らないまま、“スケープゴート”にされていく様子を紹介する。

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■今回の主人公
内田 昭二 仮名(38歳 男性)
勤務先: 医薬品メーカー(上場企業)の子会社(従業員150人)。上層部は親会社からの出向者で占められている。内田は同社のプロパー社員であり、営業部に所属。会社の業績は親会社の支援もあり、これまで順調に成長をしてきたが、昨年から業績に陰りが見え始めている。そんな矢先に、営業部内で問題が起きた。
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(※この記事は、取材した情報をプライバシー保護の観点から、一部デフォルメしています)

「命令」どおりの懐柔策

 「……言いにくいんだけど……やはり、まずは社内で話し合うことだと思うんだよな」

 「……」

 「君にも言い分があるんだろうけど、坂下常務とか、東部長の考えもあると思うよ」

 「……」

 「だから、まずは俺に相談をしてほしい」

 「……」

 内田は、黙り込む吉村の態度にしびれを切らして、何かを言おうとした。しかしその時、上司である部長の東から受けた“命令”を思い起こし、黙った。

 しばらくの沈黙のあと、吉村が話し始めた。

 「なぜ、内田さんに相談をする必要があるのですか?」

 内田は、返答に困った。たしかに、吉村の問いは正論である。自分は管理職ではなく、吉村の上司でもない。しかし、部長の“命令”どおり、振る舞った。

 「そりゃあ……一応、俺はプロパー社員の中では一番年上だし、社歴も長いし……」

 「要は、“会社の話を外に持ち出すな”と言いたいのですね」

 内田は、意外だった。吉村が、まるで別人のようだったからだ。誰かから教え込まれているかのように、絶妙のタイミングで切り返してくる。

 内田は、苦し紛れに答える。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

会社から冷遇され、気がつくと「負け組」となってしまった人たちを毎回取材。彼らの実体験を振り返ることで、企業の冷酷さだけでなく、自己防衛できなかった敗因を分析。第2次リストラ時代で生き残る術を探る。

「第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由」

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