米大統領選と兵庫県知事選挙で“2連敗”のマスコミ
「今回、私個人が思うのは、大手メディアのある意味、敗北ですよね」
人気キャスターの宮根誠司さんは今月17日、「Mr.サンデー」(フジテレビ系)のスタジオで神妙な顔つきでこう述べた。
大手メディアが「パワハラ」や「おねだり」の疑惑を厳しく追及して、兵庫県知事の座から引きずり下ろした斎藤元彦氏が111万3911票と圧倒的な民意を得て、県知事の座に返り咲いてしまったことを受けた「敗戦の弁」だった。
そう聞くと、「ん? なんか似たようことがちょっと前にもなかったっけ?」と思う人も多いだろう。そう、今月5日に開票をしたアメリカ大統領選でも、大手メディアは惨めな「敗者」だった。
情報番組ではカマラ・ハリス副大統領を推す専門家やコメンテーターばかりが登場して「史上稀にみる大接戦」「最新の情勢調査で激戦州でハリス氏がリードしている」と投票直前までふれ回ったが、フタを開けてみれば、激戦州はすべてドナルド・トランプ氏が圧勝した。
これを受けてネットやSNSでは「トランプ圧勝を受け入れらないコメンテーターが必死にトランプを貶めていて、スタジオがお通夜みたい」「なぜありのまま報じることができない?」という指摘が相次ぎ、Xでは「通夜状態」がトレンド入りしたのも記憶に新しい。
つまり、大手メディアはこの2週間弱の間に大統領選と兵庫県知事選で民意とズレまくった「偏向報道」をしたと叩かれ続け、「連敗」を喫しているのだ。
さて、そこで多くの人が首を傾げるのは、なぜ日本の大手メディアが一方の主張ばかりを取り上げて、もう一方の反論を黙殺するのかということではないか。
そこに加えて、なぜ金太郎飴のように同じ論調ばかりなのか謎だという人は多いはずだ。
海外メディアの報道には多様性がある。例えば、アメリカでも熱烈にトランプを支持するメディアもあれば、露骨にハリス氏を応援するテレビ局もある。
しかし、日本は大手メディアどうしで「談合」をしているのかと疑ってしまうほど、論調や切り口が同じだ。