吉野孝行

──NTTなどの大手通信事業者のインフラ構築を請け負う「ネットワーク・インテグレータ」として、今の日本をどう見るか?

「日本という国の“地盤沈下”は激しい」。そんな声を、私の古巣の米シスコシステムズの関係者や、取引先から聞く。最近では、外国人の機関投資家から「日本の経済はどうなるのか?」「民主党はどういう政党なのか?」ということばかり聞かれる。確かに、日本を外側から見ると、GDP、為替、株価など、どれを取ってもポジティブな要素は見当たらない。

 しかし、総務省の「日本のICTインフラに関する国際比較評価レポート」では、2009年現在の日本のICTインフラ環境は、世界で1位である。このような点にも、もう少し注目してほしい。