
近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#23では、建設・住宅業界の予測年収を独自に推計し、全48社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
ゼネコン、サブコン、エンジニアリング…
3年後に「1000万円超え」から多数脱落!
ゼネコン各社は人手不足や建設費高騰を逆手に取り、採算が確実に取れるプロジェクトを選ぶ「選別受注」を繰り出している。
詳細は特集『総予測2025』の#92『鹿島、大成建設、清水建設…25年は「ゼネコンのターン」でわが世の春到来も、付きまとう業績悪化リスクとは?』を見てほしいが、2025年は、建設ラッシュの中で選別受注を徹底し過去最高益を更新した17~19年度以来となるわが世の春を迎える公算が大きい。
そんな追い風もあり、ゼネコンの平均年収は高く、1000万円超えも珍しくない。23年4月~24年3月期の実績では鹿島が1177.2万円、大林組が1066.0万円、大成建設が1024.7万円となっている。
また、ゼネコンのみならず、建設・住宅業界ではサブコンやエンジニアリング会社なども800万~1000万円台が多数存在する。「年収の高い業界」と言っていいだろう。
では、3年後の年収はどうなるのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、24年3月期までの実績値から3年後となる26年4月期~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、建設・住宅業界の48社だ。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。なお、業績予想は24年10月時点のデータに基づく。
その結果、24年の実績では年収1000万円を超える企業が9社あるのだが、なんと、3年後は2社にまで激減してしまうことに。憂き目に遭う7社はどこなのだろうか。
鹿島、大林組、大成建設、清水建設、ショーボンドホールディングス、積水ハウス、五洋建設、大和ハウス工業、コムシスホールディングス、日揮ホールディングス、東亜建設工業、東洋建設、安藤ハザマ、関電工、西松建設、戸田建設、ライト工業、きんでん、長谷工コーポレーション、大気社、三機工業、高砂熱学工業、東鉄工業、中外炉工業、日比谷総合設備、ダイダン、熊谷組、住友電設、東急建設、千代田化工建設、東洋エンジニアリングといった大手や話題の企業は勝ち組なのか、負け組なのか?あるいは、3年後の年収はどれくらい増えるのか?一挙に見ていこう。