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【精神科医が教える】「あの人の行動が許せない」と思ったとき、ストレスが減るたった1つの選択肢Photo: Adobe Stock

他人の行動には理由がないことが多い

「なぜあの人はこんな行動をしたのか?」と考えすぎてしまうことはありませんか? 特に、他人の許せない行動が頭から離れず、悶々としてしまうこともあるでしょう。しかし、そもそも人間の行動の大半には明確な理由がありません。

人は、常に理論的に考え、正しい判断をして行動しているわけではなく、無意識のうちに反射的に動いたり、矛盾した行動をとったりするものです。全ての行動に筋の通った理由があるわけではなく、「なんとなく」や「深く考えずに」行動することのほうが多いのです。

考えすぎても答えは出ない

他人の行動を深く考えすぎても、明確な答えが出ることはほとんどありません。納得のいかない言動を延々と考え続けても、余計にストレスが溜まるだけです。特に、「あの人の行動が許せない」と強く思ってしまう人は、相手の行動に理屈があるはずだと考えすぎてしまう傾向があります。

しかし、他人の行動すべてに理由を求めるのではなく、「そんなものだ」と適度に流すことが大切です。そうしなければ、考えてもどうしようもないことに時間とエネルギーを消耗してしまいます。

大切なのは「好きか嫌いか」

人間関係で最も大切なのは、細かい行動の是非を問うことではなく、「この人と関わりたいか、関わりたくないか」というシンプルな基準です。誰しも無意識のうちに相手を傷つけるような言動をとることがあります。しかし、そのひと言や行動だけで、その人全体を否定するのは極端です。

相手の行動に一つひとつ意味を求めて監視していると、どんどん嫌な感情が募り、人間関係がギスギスしてしまいます。それよりも、自分の心に問いかけ、「この人と関わっていきたいか?」というシンプルな判断基準を持つことが、ストレスを減らすコツです。

記憶に留めるべきことは?

とはいえ、相手の行動をすべて流してしまうのも危険です。特に、相手が「とんでもないことをした」と感じた場合は、その事実をしっかり記憶しておくことも大切です。忘れる必要はありませんが、それを根拠に過度な判断をしないように気をつけましょう。

例えば、仕事を任せる際に「あの人はこういうことをしがちだったな」と参考にする程度に留めることで、同じ失敗を繰り返さずに済みます。ただし、必要以上に相手を見張ったり、過剰に警戒したりすると関係が悪化するので、適度な距離感を保つことが重要です。

人間関係がラクになる考え方

他人の行動には、明確な理由がないことがほとんどです。すべてを理屈で考えようとすると、余計にストレスが溜まります。大切なのは、「この人と関わるかどうか」を基準にし、細かいことにとらわれすぎないことです。

また、問題のある行動は記憶に留めつつも、必要以上に相手を監視しないことが、人間関係を円滑にするポイントです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。