「菌活」が流行る理由

 そしてぬか漬けがすごいのが発酵力
 ぬかには、ビタミン類やリン酸塩類などが多く含まれ、これらが微生物の発育に必要な栄養分となっています。

 これはぬか漬けに限らないことですが、漬物のいいところは、乳酸発酵して乳酸菌や酵素が活きたまま食せることにあります。

 これが、漬物が「発酵食品」と言われるゆえんです。
「菌活」という言葉が生れてきたように、今、発酵食品がとても見直されてきています。
 かつて、漬物は、日本人にとって一番身近な発酵食品でした。
「でした」というのにはわけがあります。

 今、一般的に流通している多くの漬物には、日持ちさせようと添加物が入っています。
 なぜ日持ちするかというと、それは発酵を止めている、つまり乳酸菌をはじめとする菌を殺しているからです。

煮沸消毒は
記載義務がないという事実!

 では、無添加の漬物ならば安心なのかというと一概には言えません。
 無添加であっても、日持ちさせるために煮沸消毒したものもあります。
煮沸消毒の目的は発酵を止めること。
 これも、もちろん乳酸菌は活きていません。

 やっかいなことに、煮沸消毒は記載義務がないので油断なりません。

 発酵食品で体にいいと思って食べている漬物が、実はぬけ殻だったりしているのです。

 そんな乳酸菌が活きた漬物を手に入れるのは、自分でつくるしかない時代なのかもしれません。

 昔はどこの家庭にもぬか床があったようですが、今は見なくなりました。
「ぬかみそくさい」なんていうと、以前は所帯じみているという意味だったのですが、今は「家庭的ですばらしい」なんて意味になるかもしれません。

 実際に「マイぬか床」を持つのがちょっとしたブームにもなっていて、わが「風来」でも、「ぬか床教室」をすると、毎回大好評の人気講座でもあります。

 ぬか床の管理というと、難しく感じる人も多いようですが、風来では大きめのタッパー(4~5リットル)を使って密封でき、冷蔵庫で保存させる方法をおすすめしています。

 これだとにおいも漏れませんし、低温のため乳酸菌が過発酵することもないので失敗も少ないからです。