あれらの悪徳商品は(筆者も概ね金融庁と同じ価値観を持っているので「悪徳商品」と呼ぶことにする)、明らかに、「商品」そのものの良さや魅力によってではなく、営業担当者個人の顧客への関わりによって売れている。もちろん銀行の看板あってのことだが、「個々の個人営業の担当者が売れている」のが現実だ。

 彼らがいなければ、顧客の側が運用商品の選択で損をすることもないという意味で、銀行の個人営業担当者は倫理的に微妙な存在なのだが(本人には悪いこと「も」しているという意識は少なくとも持ってほしい)、銀行経営にとって、優秀な個人営業担当者と彼(彼女)が持つ顧客との人間関係は有力な利益源泉の一つだろうし、それは、テクノロジーが発達しても変わらずに残るのではないだろうか。

 少なくとも、ランキング表に、「なくなるまでの年数(年)」として表示されている7.2年ではなくならないのではないか。

 個人営業に関しては、「危険水域」にカウントされている、「保険外交員(生保レディー)、「証券営業(個人向け)」にも、同様のことが言えそうな面がある。彼らの相当部分が、ネット取引に置き換えられることは趨勢としてあるだろうが、「太いお客」に食い込んだ営業マン(レディー)は、思いの外強いのではないだろうか。

 もっとも、現在の「太い客」である高齢者の層が退場して、新しい世代に入れ替わる動きが進むにつれて、「営業担当」の効力が薄れる可能性はある。

 なお、これは、やられては困ることなので、ここに書かない方がいいのかもしれないが、究極のビッグデータの一つである、預金者の資金移動の情報を、銀行が本格的に解析して個人向けの営業にフル活用することを、筆者は心から恐れており、本格活用が始まらないうちに、何らかの規制が必要だと感じている。金融庁には、この点にも関心を持ってほしい。