みるみる算数力がつく
「ひとケタのひき算」篇
(Kisou Kubota)京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。著書に、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数
次に、本書151ページの「ひとケタのひき算」も同様にやってみましょう。
横軸の「9」から「0」の行と縦軸の「-0」を順番にひき算します。
これを私は、「お経式暗算法」と呼んでいますが、「ひとケタのたし算・ひき算」がマスターできると、小学1年修了時の算数の基本が身についたことになります。
本書158~161ページに「ひとケタのたし算・ひき算」をまとめておきました。
ぜひとも、早期から子どもに覚えさせてください。
前頭前野だけで計算をやっているときには、余分なカウンティング行動が現れ、ワーキングメモリーを助けていますが、暗算を繰り返して海馬が働くようになると、カウンティング行動は減っていきます。
カウンティング行動がなくなって覚えられたら、「ひとケタのたし算・ひき算」が習得できたことになります。
最新の脳科学の論文によると、高校生に大学入学試験を受けさせ、成績を調べたところ、小さいころから暗算をしていた子のほうが成績がよくなる傾向がありました。
これは、後部頭頂皮質の前方部(ブロードマンの40野)がよく働くようになるという報告があります。