95%以上に診断名が付いたことについては、「発達障害が4分の1を占めた」ことに注目。やはり「発達障害は、引きこもりととても縁が深い」として、こう続ける。

「アスペルガー症候群の人が不安障害になったり、ADHD(注意欠陥多動性障害)の人がうつになったりすることがよくある」

 中でも、アスペルガー症候群などの引きこもり当事者の中には、「なぜ引きこもりから抜け出さなければならないのかを理解しにくい場合が多い」などと説明する。

 また、発達障害も深く関わるパーソナリティ傾向は、人によって持っている種類が様々。聞き覚えのある人も多いに違いない。こうしたパーソナリティの特徴を評価することによって、その人が動きやすいのか、動きにくいのかについても、ある程度の見通しがつくのだという。

 例えば、回避性は、人の前で何かをするのが怖いタイプ。依存性は、他人に頼らないと生きていけなくて、責任は絶対に負わない。強迫性は、完全主義者で失敗は認められない。受動攻撃性は、どうせ何をやっても認められないから何もやらない気持ち。自己愛性は、自分に自信がないため、無理やり自分はすごいと思い、傷つくことを恐れて引きこもろうとする。

 境界性は、虐待を受けた経験者が多く、自分探しをして、これが私だという土台を築くことができなかった。人にしがみつき、自分の思い通りに操作し続けないと、自分が空っぽで無力な価値のない存在に思えてしょうがない。シゾイド性は、1人でいるのが大好きな人たち。妄想性は、非常に過敏で被害的。迷信深く魔法のような世界にいる。こうした人たちのパーソナリティは、引きこもりとの親和性がとても高いという。

引きこもり支援のカギとなる
「3つの次元」への分類とその組み合わせ

 さらに、この「狭義の引きこもり」は、3つの次元に分類すると役に立つと指摘。第1群は、統合失調症、気分障害、不安障害などの精神疾患の診断が付く引きこもりの人で、薬物などの医療的治療の優先が不可欠となる。第2群は、発達障害の診断名が付く引きこもりの人で、特性に応じた精神療法的アプローチや教育的な支援が必要となる。第3群は、パーソナリティ障害や、薬では効果のない不安障害、身体表現性障害、同一性の問題などによる引きこもりの人たちで、精神療法やカウンセリングが中心となるという。