フォーラムは大成功
上海以外にも広がる気配

 フォーラムの演者として、日東電工(中国)投資有限公司の高柳敏彦董事長が「百年企業が3つのイノベーションの道を切り開く」と題する講演を行った。トムソン・ロイターの「世界の革新企業・機関トップ100」に5年連続で選出される企業として、高柳董事長がひとつの技能でどこまでイノベーションを推し進められたのか、といった企業の神髄を披露した。

 一方、百年企業になった阿波製紙上海有限公司の東俊二総経理が「産業機能紙分野で活躍する阿波製紙の今昔」と題する講演で、自動車用フィルターなどの製品を専門とする典型的なリトルガリバー型企業の製紙一筋の歩みを報告した。

「隠れたチャンピオンの背後にある“匠”の思考」という演題で報告した浙江省義烏市双童日用品有限公司の楼仲平董事長は、同社が1993年創業以来の22年間、プラスチック製飲用ストローの研究開発・生産・販売のみを行っていることを強調した。そのストロー1本で市場を切り開いた報告は会場から大きな関心を集めた。

「新エネルギー分野用磁性製品に打ち込む高度化の道」と題する報告をしたのは寧波松科磁材有限公司の汪維傑総経理である。倒産寸前の父親の会社を買収して、磁性製品の生産を皮切りに、電動車・エアコン・エレベーターなどからなる企業生態系を構築し、顧客に究極の新製品を提供している。

 会場の熱烈な反響を見て、浙江省杭州市の会社と政府機構、山東省の政府機関がフォーラム終了後、主催側に地元での開催を要請し、熱いラブコールを送った。参加者の多くも常設フォーラムにしたら、と提案している。中国の2大通信社、つまり新華社通信と中国新聞社がニュースを配信し、会場内で取材していた上海テレビ局も特番を放送することにした。その反響はまだしばらく続くだろうと思う。

 主催側の中日分会はゼロ予算でスタートしたこのフォーラムの成功に鼓舞されて、日中経済を結ぶ新しいチャンネルとして常設フォーラムにしようという考えを固める意向だ。