聞き手が複数である、すなわち「聴衆」であるというところに、プレゼンテーションの特徴がある。
1人でも多くの人が目の前にいるというのは、話を難しくさせる。
1つには、意識過剰になって、プレッシャーを感じ、思うように話せなくなるからだ。2つ目は、ひとりよがりになって、相手を考えないで喋ってしまうからである。
相手が大勢となると、ことはもっと厄介になる。とはいえ、大勢の前でも、場数を踏めば緊張感も和らぎ、ラクに話せるようになる。また、一対一ではつい安心して、相手を忘れるが、大勢が相手となると、
〈一体、どういう人たちか、どんな反応をするだろうか〉
と、注意が向くから、相手を考えようとする度合いが高くなる。
そこで、話す相手、聴衆についての情報を収集して、対策を立てることになる。これを、「聴衆分析」と呼び、プレゼンテーションの成否を握る鍵となる。
「聴衆分析」は、
・事前の準備段階で
・会場に入り、話す直前までの段階で
・プレゼンテーションが始まり、話しながらの段階で
と、それぞれの段階で必要になる。
「聴衆に共通する特徴」を押さえて
対応策を考えておこう
人が聞き手に回ったとき、共通に示す受け取り方、反応の仕方の傾向を、「聴衆の本質」という。聴衆一般が示す傾向なので、これを承知しておけば、対応策が取りやすい。準備段階でも、あらかじめ対策を打っておくことができる。
それぞれに応じた、プレゼンテーションでの工夫の仕方を、以下にまとめておくので、準備の際、参考にしてほしい。