ゾンビが仲間にしようとする相手は同僚だけではありません。先輩ゾンビが後輩を仲間に引き入れようとするケースもあります。気弱な後輩は先輩に逆らうことができずに、いつの間にか自分もゾンビになってグチを言うようになります。

 そして次第にチーム全体にゾンビが蔓延し、リーダーが気づいたときにはもう遅いのです。グチばかり言う後ろ向きな集団のできあがり。最終的には、リーダーが責任をとらされてクビになるわけです。

 みなさんの職場でも、こんなことはあるのではないでしょうか?

ゾンビを生み出さないためには?

 私はチームにエースはいらないと思っています。チームとして連続で目標を達成し続けるためには、1人のエースを育てるよりも、ゾンビをつくらないことのほうが大事です。

 ではゾンビをつくらないためには、どうすればいいのか。

 ひと言でいえば、存在を認めてあげることです。

 リーダーから叱られ続けて、「自分はこのチームにはいらない存在なんだ」と思ってしまうことがゾンビ化する原因です。

 しかし、たとえ仕事の能力が低いメンバーであっても、チームにとっていらない存在ではありません。彼も貴重な戦力なのです。

 私は、どんなメンバーであっても、

「チームの目標を達成するために、あなたの力は必要なんだ。協力してくれないか」
「あくまでも主役は君たちなんだよ」
「君たち一人ひとりが力を発揮してくれなければ、目標は達成できない」

 と繰り返し伝えることで、「自分の存在が認められている」と感じてもらうようにしてきました。

 自分が主役のように振る舞っているリーダーもいますが、それは大きな間違い。あくまでもメンバーが主役です。

主役であるメンバーを輝かせるためにリーダーの存在がある。そう心得ていれば、ゾンビを生み出さない環境をつくることができます。