また、トップセールスがいると、リーダーはどうしてもその人を可愛がり、甘やかすようになります。その人さえいれば、チームの成績は安泰だからです。
するとトップセールスは、やがて自分を特別な存在だと思うようになり、わがままになります。でもリーダーは叱ることができず、多少のわがままを許してしまいます。
メンバーに対するリーダーの接し方に差が出て、他のメンバーは差別をされているように感じてしまいます。結果として、チームワークが悪くなってしまうのです。
チームで目標を達成し続けるには、チームワークはとても重要。だからこそ際だって優秀なメンバーはいらないのです。
チームで結果を出すということ
私は店舗のメンバーにも常々、「個」ではなく「和」が重要だと説明していました。そうするとメンバーもそれを理解してくれて、チームとしての目標に向かって何をするべきか考え、行動してくれるようになりました。
あるときは、こんなこともありました。
ランキングには入らないものの、そこそこ優秀な営業のA君がいました。彼はショールームで自分のお客様を案内していたのですが、そのお客様はすぐにでも注文を出してくれそうな状態です。
そんなオイシイお客様を、あろうことか他のメンバーにゆずったのです。
A君は受注寸前の状態まで持っていったところで、落ちこぼれ寸前の「ゾンビ」になりかけていた営業のB君にバトンタッチしました。
そしてB君は久しぶりに受注をとることができ、自信を取り戻すことができました。
同じ店舗の営業の間でもお客様を取り合うのが普通です。でもA君はチームのために、B君を助けてくれました。なかなかできないことだと思います。
これはA君の度量の大きさがあったからこそなのですが、「和」を重んじてチームづくりをしてきた成果でもあります。