未訳の最新ビジネス洋書のエッセンスが詰まった書評レポートを、PDFファイルで閲覧・ダウンロード提供する本連載。今回取り上げるのは『複雑という危機』
(ジョン・マリオッティ著)です。(書評レポート提供/エグゼクティブブックサマリー)
複雑化の一途を辿る企業活動に
「シンプル・イズ・ベスト」の哲学を
「快進撃を続けるアップルコンピュータの躍進の秘密は?」
と聞かれたら、きっと私はこう答えるでしょう。
「シンプル・イズ・ベスト」
近年、業績の悪化を招く大きな要因として、アメリカ国内では「複雑化」という考え方が浸透しつつあります。多種多様にわたる事業、多すぎる商品、複雑なビジネスオペレーション、ITの発達にもかかわらず、クラウドを意識するよりも加速する企業の複雑化現象は業績の低迷につながります。
こんな時代だからこそ、シンプル・イズ・ベストの企業経営が求められているのです。実際に様々なことをシンプルに考えてみると、ビジネスは大きく成長すると言われています。
例えば、快進撃を続けるアップル社の躍進のきっかけとなった「iPod」などは、そのデザインやユーザビリティなどを見てもまさにシンプル・イズ・ベストの代名詞のようなものです。
今後、企業が成長していくために「複雑化」という因子について、よく知っておく必要があります。逆転の発想からいけば、そこにブレイクスルーがあるのかも知れません。
そういった意味では本書がその大きなヒントとなります。本書では、著者であるジョン・マリオッティ自らの経験から、企業の存続を脅かすような市場停滞期に起こりうる「複雑化」ついても詳しく述べられており、その打開策として、具体的なイノベーションを再認識することで有効な戦略を手に入れる興味深い方法なども書かれています。
本書はシンプルという視点に重点を置くことで、まさに新しい経営革新の本質を知ることができる良書だと言えます。またアメリカ国内の多くの有識者が、以下のとおり、本書を推薦しています(以下、一部を抜粋)。
「もし貴社のコストがアップしているのにも限らず、収益がダウンしている状況にあるなら、ジョン・マリオッテイが書いた『複雑という危機』という本を貪るように読むことをお勧めする」――ウオールマート社元エグゼクテイブコンサルタント・社長兼会長、ジャック・C・シューメーカー
「本書は目まぐるしく変化するグローバル市場で、事業を常に維持、向上させることに真剣に取り組んでいるCレベルエグゼクテイブにお勧めする」――DELL コンピューター社元デイレクター・Zero2社会長兼CEO、ピーター・ストロープル
「もし私が会社や政府の一組織を任されていたら経営幹部全員に必読の本として読ませているだろう。この本では『複雑』であるがためにいかに従業員に余計な負担がかかり、事業の成長を遅らせ、利益の減少をもたらしているかを実例で示すとともに実際にどのように改善できるかを教えてくれる」――退役米国海軍中将、エド・ストロー
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