
40~60代でも需要が高く、転職や副業、定年後の働き方に活用できる「電気系資格」が注目されている。特に電気工事士と電気主任技術者は、インフラ業界の人手不足を背景に、未経験でも歓迎されやすく、資格次第で独立や高収入も可能だ。特集『40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全』の#19では、ダブルライセンス取得で市場価値がさらに高まる“一生モノの武器”としての人気を集めている背景を解説する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
40~60代からでも遅くない
電気系資格が選ばれる背景
40代から60代の人が資格を取得する場合、「転職して新たな道に進む」という考え方も一つの方向性だが、それ以外にも「副業として活用する」「社内で関連部門に関わるチャンスを広げる」といった使い方もある。
特にインフラ系の仕事は社会に不可欠であり、業界全体で人材不足が深刻である。高齢化が進んでおり、若手の参入が少ないため、ともすれば40代でも“若手”として歓迎されるのだ。
そんな中、「電気系の資格は転職、副業、定年後まで長く使える可能性があり、将来の働き方の選択肢を広げる武器になるということで注目を集めている。中でも『電気工事士』と『電気主任技術者』が人気だ」と、大手資格スクール・資格の学校TAC(タック)で電気・設備講座を担当する滝谷氏は話す。
電気工事士は、建物の電気設備の工事や保守を行う国家資格である。安全かつ正確な作業が求められ、扱える電気工作物が一般用か自家用かで第一種・第二種に分類される。資格取得で安定職や独立も目指せる。
電気主任技術者(電験)は、高圧・特別高圧の電気設備の保安監督を行う国家資格。第一~第三種に分かれ、扱える電圧や施設規模が異なる。取得の難易度は電気工事士より高い。
電気工事や保安監督業務というと、電力・製造など特定の業界を思い浮かべがちだが、実際にはビル管理、工場、ホテルや病院、データセンターなど多くの場面で資格が役に立つ。経験が長いほど任される仕事も増えるため、長く働けるのも特徴だ。
次ページ以降では、電気系資格が役立つ意外な業界、年収・働き方の実態と独立後の可能性、年収1000万円超を目指す場合の条件などについて詳しく解説していく。