片山右京の限界突破!―ようこそ先輩
この4月、NHKの名物番組『課外授業 ようこそ先輩』がその18年間の幕を下ろしました。『ようこそ先輩』は著名人が母校の小学校に戻って子どもたち相手に授業を行うというもの(*1)。
その中でも2001年放送の片山右京さんの回「君の体は心が動かす」は秀逸でした。
まずは前段としてクラス全員を富士スピードウェイに連れて行きます。1周4.6kmのコースを歩かせた後、彼は同時に3人ずつ車に乗せてその「腕」を見せつけます。もちろんみんな、絶叫の連続です。
そして、授業本番はなんと、学校の体育館につくられた富士スピードウェイの模型コースで行われます。授業内容は、「コースを子どもたちに走らせてそのタイムを計る」こと。それだけです。
「本当の限界はみんなが思っているよりもずーっと先にある」
さて、1回目。意外な結果が出ます。
ふだん鈍足の子がクラス2位になったり、俊足の子が真ん中くらいだったり……。子どもたちは悲喜こもごも。
右京先生はみんなに言います。
「もっと考えて、自分の体をコントロールして! みんな、まだまだ速くなれる!」
子どもたちは、コースを歩いて下見し、作戦を考え、イメージトレーニングをします。
そしてタイムトライアル、2回目。
なんと全員のタイムが大幅にアップしています。盛り上がる子どもたち。
「やった、やった」
しかし彼は皆に言い切ります。
「まだだ!」
「もう限界って思っているかも知れないけれど、本当の限界はみんなが思っているよりもずーっと先にある」
「集中しろ! 集中すればその限界を突破できる!」
彼に何度もハッパをかけられて子どもたちの目の色が変わります。
そして3度目のタイムトライアル。
結果は……。
*1 1998年4月2日放送の初回は桂三枝(現 6代目桂文枝)による「落語は想像力の教科書や!」。