「上司は選べないよ。余計なストレスをためるのは損するだけ。自分の評価を下げないためと理解して、工夫すればいい」

 忘れっぽい上司を部下が指導して変えることは非常に困難です。忘れっぽい上司と仕事することを受け入れて、失敗しないように術を考える。それができる部下はそのうちに会社から高い評価を得るに違いないとの発想なのでしょう。

 確かにMさんが忘れっぽいことは社内でも周知の事実。その職場で問題を起こさずに仕事をしていれば、その成果は部下の頑張りによるものなのは明白と言いたいのかもしれません。さらにEさんは、

「忘れっぽい上司との巡り合わせをラッキーと思うくらいの度量を持とうよ」

 と言い出しました。できない上司のいる職場環境で活躍できれば、目立つ機会になるのではとの発想なのかもしれません。この言葉は意外にもUさんの上司に対するストレスを払拭し、自分の行動を変えるきっかけになりました。

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「Eさんありがとう。前向きに行動してみるよ」

 とUさんはお礼を告げ、翌日から上司が忘れないように工夫を凝らした行動を心がけるようになりました。すると、上司との関係も良好になり、社内での評価もグンと上がったようです。

 ただ、本当にそこまで上司に気を使う必要があるのか、Uさんも疑問がすべて拭えているわけではありません。忘れっぽい上司に対して「もっと、しっかりしてください」と文句を言いたい気持ちを抑えるなど、我慢の日々が続いているようです。

 さて、このように忘れっぽい上司が職場にいて、困っているという部下の悩みをよく耳にします。つい、ダメな上司だと批判したり、距離をおいてしまいたくなりますが、Eさんのように上司をケアする行動を取りたいものです。上司といえども、同じ職場で働く同僚です。足りない部分は補い合うという寛大な姿勢を持てば、自分の評価も確実に上がることでしょう。