上海を中心とする総合観光情報サイト「旅悟空.com」の運営や、それに付随して中国旅行のサポート事業を手がける上海旅悟空国際旅行社有限公司。彼らのお客は中国旅行を考える日本人だ。吉田達也総経理は、「ライバルは中国に進出する日系旅行代理店ではなく、現地のローカル代理店」だと語る。現地ローカル企業並みの低価格と日系企業並みの高サービスを実現し、毎年50%成長を続ける同社の秘密とは?

日本人客向けに中国旅行サイトや旅行サポートを手がけ、毎年50%成長を続ける「旅悟空」の吉田達也・総経理。会社では、日本人社員と中国人社員の業務を完全に分けており、仕入れは主に中国人社員がやっているという。

――最近、日本の観光客の間で話題になっている「旅悟空」の事業内容を教えてください。

「旅悟空」では、上海を中心に現地発の生の話題を提供する総合観光情報サイト「旅悟空.com」の運営、そしてそれに付随する航空券、ホテル、車両・ガイド、雑技などのチケット手配、中国国内旅行、法人出張管理の業務を行なっています。2006年に起業して以来、お蔭様で順調に成長し、2009年の売り上げは3950万元(約5.5億円)、社員25名になりました。

――創業以来、毎年50%以上の成長を続けています。すごいですね。

 そうですね。50%程度の成長を目標にしています。日中関係の影響をもろに受ける我々のような事業では、尖閣諸島のような事件が発生すると、売り上げがガクンと下がります。このように外部環境に依存する部分があるため、20%程度の成長が前提では、マイナス成長もあり得るからです。

――最近、日系の大手旅行代理店も中国に本格的に進出しているようですが、競合として気になりますか?

 競合という意味でうちが意識しているのは、日系企業ではなく中国ローカル企業です。