トヨタ史上最高のオープン初月から48ヵ月連続での販売目標達成は、社内どころか社外にも驚きをもって伝えられました。さまざまなメディアで紹介されましたが、この最強チームでも、40ヵ月目に最大の危機を迎えました。今回は「どのようにして、その危機を脱したのか?」を、重版も決まった新刊『トヨタの伝説のディーラーが教える絶対に目標達成するリーダーの仕事』から紹介します。
連続達成が切れそうな最終日にどんな奇跡を起こしたのか?
目標を連続で達成し続けるためには、チームのなかに危機感がなければいけません。
私が48ヵ月連続で達成を続けていたときもそうでした。
連続達成が途切れそうになるピンチは何度かありましたが、最大のピンチは40ヵ月目くらいに訪れました。月末の最終日、その月の目標にあと6台足りないという状況になったのです。
しかも、単に注文をとるだけでは販売したことになりません。メーカーから仕入れ済みの在庫車を販売して、その日のうちに車庫証明を申請しなければ、その月の売上には計上できないのです。
仕入れ済みの在庫は限られていますから、色や仕様などがお客様の好みと合わなければ、メーカーに改めて注文を出す必要があり、時間がかかってしまいます。その月の売上に計上するためには、なんとしても在庫にあるうちの6台を今日1日で売る必要があったのです。
さらに厳しいことに、朝の時点で営業スタッフが抱えている見込み客は売り尽くした結果ゼロという状況でした。これでいよいよ連続達成も終わったと思いました。
スタッフを集めた朝礼では「無理だろう」などとは口に出しませんでしたが、厳しい状況であることは話しました。
すると、朝礼が終わったとたん、スタッフたちが蜘蛛の子を散らすように一斉に店を飛び出していくのです。そして普段だったらお昼頃に一度帰ってくることが多いのに、その日に限っては誰も帰ってきません。
どうしたのかとやきもきしていると、昼過ぎに一人の営業から「1台、注文いただきました」と連絡がありました。
さらに他の営業からも、次々と注文獲得の電話が入ってきました。こうしてその日のうちに6台の注文がとれて、車庫証明の申請もでき、連続達成が途切れることなく実現できたのです。