奇跡は偶然生まれるものではない

 あのときは本当に驚きました。私はその日のうちに、注文をくれたお客様にお礼の電話をしました。すると皆が口を揃えたように「連続達成できましたか?」と聞いてきました。スタッフたちが事情を説明して、頭を下げて協力してもらっていたようです。

 あのときのスタッフたちの頑張りを思うと、今でも涙が出ます。

 と同時に思い返してわかるのは、店長である私と店舗スタッフの間で危機感の共有ができていたからこそ、あのような献身的な協力が得られたということです。

 連続達成はすればするほど、チームの一体感が強まっていくのですが、達成のハードルがどんどん上がっていくつらさもあります。連続記録がある程度まで伸びると、「ここで達成できなかったら、もう二度と同じような記録はつくれない」「一度落としたら、緊張の糸がぷつんと切れて、どんどん落ちてしまうかもしれない」と恐怖を感じます。

 そんな危機感を、私の口からスタッフに伝えるようにしていましたし、彼ら自身も自然と感じ取っていたことでしょう。

全員で危機感を共有できたからこそ、48ヵ月連続達成という大きな記録をつくることができたのです。