慢性的な頭痛に悩まされている日本人は約4000万人。そのうち、約2000万人以上が緊張型頭痛に、約840万人が片頭痛に悩まされている。
ところが、「多忙のために、医療機関を受診する時間もなく、日々、頭痛と闘いながら仕事をこなしている頭痛持ちの人たちに、『生活上のちょっとしたコツで、頭痛は消える、防げる』と言っても、すぐには信じてもらえません。しかし、専門家の目でみなさんの日常を見てみると、これでは、頭痛が起きても仕方がないとため息をつきたくなるような生活をしている人が、ほとんどなのです」と語るのは、9月30日発売『頭痛は消える。』の著者であり、頭痛治療のエキスパート・清水俊彦氏(東京女子医科大学 頭痛外来)。
科学的なデータとこれまでに治療してきた約200万人の体験談から抽出した選りすぐりの「頭痛を起こさない58の生活習慣」を、7つの生活シーンに分けてご紹介。その中から各2項目を7回にわたって連載。
もし窓際に座ったら、外の景色は眺めない
かつて飛行機が主役だった北海道や九州や北陸までの移動も、新幹線で行ける時代になりました。
飛行機のように空港でのセキュリティチェックや荷物のチェックインなど面倒な手続きもないため、多少時間はかかっても、新幹線を利用する人は増加傾向にあります。
ただ、頭痛持ちの人が新幹線を利用する場合は、座る席の位置に注意してください。
頭痛持ちの人にオススメの席は、通路側の席です。
車窓からの移りゆく風景を楽しみたいと、窓際の席に座って一定間隔で飛ぶように過ぎて行く電柱をボーッと眺めていると、頭痛やめまいを引き起こしやすくなるのです。
片頭痛持ちの人は、脳の後ろにある視覚野が過敏なため、一定周期の動きに過剰に反応しやすいのです。
催眠術を行う際に、一定周期の振り子を用いるのもこのことに関係しています。
どちらかというと女性のほうが催眠術にかかりやすいのは、頭痛持ちが女性に多いことと関連があるのかもしれません。
また、新幹線同士がすれ違う際や高速でトンネルに入る際に、窓から受ける瞬間の圧力を経験されている方も多いと思います。
この圧力差に脳が反応して、一瞬の頭痛を引き起こすことがあります。
ですから、頭痛持ちの人は、窓際の席は他の人に譲り、通路側の席に座るようにしてください。
どうしても窓際に座ることになった場合は、せめて外の景色を眺めないよう心がけましょう。
●ポイント:窓際の席は、景色の変化や圧力差に要注意