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「老後のお金が足りなくなったらどうしよう……」多くの人がそう考え、節約や貯蓄に勤しんでいるだろう。だが、精神科医として、長年高齢者と関わってきた和田秀樹氏によれば、人生の最期に「もっとお金を残しておけばよかった」と悔やむ人はほとんどいないという。老後のお金をめぐる不安について説く。※本稿は、精神科医の和田秀樹『医師しか知らない 死の直前の後悔』(小学館)の一部を抜粋・編集したものです。
過剰に老後の資金を
心配するのは考えもの
「老後資金が心配だ」という声をよく耳にします。
たしかに将来への漠然とした不安から「今のうちにお金を貯めておかなければ」と考え、せっせと貯蓄や投資に励んでいる人も多いことでしょう。
けれども、多くの高齢者の話を聞いていると、「もっとお金を残しておけばよかった」と後悔する人にはほとんど出会いません。むしろ「元気なうちに、もっとお金を使って楽しんでおけばよかった」という声のほうが圧倒的に多いのです。
というのも、老後にかかるお金を心配していたものの、実際には「思っていたよりもお金はかからなかった」と感じている人が意外と多いからです。
まず、医療費や介護費用は年金や公的保険によってかなりカバーされますから、実際にかかる額は予想よりも少ないというのが多くの人の実感です。
生活費についても、年齢を重ねるにつれて日常的な出費が小さくなっていきます。外食や旅行などの回数も減ってきますから、お金を使わなくなるのです。
いえ、正確に言うと、歳をとると、使いたくても使えなくなると言ったほうがいいかもしれません。







