慢性的な頭痛に悩まされている日本人は約4000万人。そのうち、約2000万人以上が緊張型頭痛に、約840万人が片頭痛に悩まされている。
ところが、「多忙のために、医療機関を受診する時間もなく、日々、頭痛と闘いながら仕事をこなしている頭痛持ちの人たちに、『生活上のちょっとしたコツで、頭痛は消える、防げる』と言っても、すぐには信じてもらえません。しかし、専門家の目でみなさんの日常を見てみると、これでは、頭痛が起きても仕方がないとため息をつきたくなるような生活をしている人が、ほとんどなのです」と語るのは、9月30日発売『頭痛は消える。』の著者であり、頭痛治療のエキスパート・清水俊彦氏(東京女子医科大学 頭痛外来)。
科学的なデータとこれまでに治療してきた約200万人の体験談から抽出した選りすぐりの「頭痛を起こさない58の生活習慣」を、7つの生活シーンに分けてご紹介。その中から各2項目を7回にわたって連載。
姿勢の悪さが頭痛を引き起こす
椅子に座っている時、自分がどんな姿勢になっているかご存知でしょうか?
とくにパソコンに向かう時間が長い人は、どうしても前かがみの姿勢になりがちで、肩や首のコリに悩まされている人も多いと思います。
頭痛持ちの人がこうした悪い姿勢で椅子に長時間座っていると、首~肩~背中の筋肉群に負担がかかり、この負担が二次的に頸部の神経を介して三叉神経を刺激し、頭痛を引き起こすことがあります。
椅子には、軽くお尻を載せ、おへそを少し前に突き出すような姿勢で座れば、頸椎~腰椎の全脊椎の最も自然な湾曲が保たれます。
背中と椅子の背もたれの間には隙間ができますが、小さな硬めのクッションを入れると安定するでしょう。
以前、某女優さんと対談した際に、私が椅子に深く座っているのを見て、「先生は座る姿勢が悪い」と忠告され、この「お尻少し載せ+おへそ突き出し」スタイルを伝授されました。
その女優さんの美しさの秘訣を知った思いがしました。
以来、私も診察中はこのスタイルを保っていますし、しばしば夜間に悩まされていた腰痛も、この姿勢のおかげで消え去りました。
●ポイント:いい姿勢で座ることも、頭痛予防のひとつだと認識すべき