今年、創業140周年を迎えるサッポロホールディングス。今や飲料や外食、不動産と事業は多岐にわたる。なぜ多くの事業を手掛けるのか。上條努社長に聞いた。
──ビールメーカーのイメージが強いですが、近年はスープや豆乳などの食品にも力を入れています。なぜですか。
私はビールだけでなく、他の飲料や海外事業など、いろいろな事業に携わってきました。その中で、非アルコール部門の事業に魅力というのはずっと感じていて、社長になる前から早く食品をやりたいと思っていました。
歴史的にアルコール以外の飲料事業が弱かったので、飲酒できる20歳以上をターゲットにした企業だと思われがちです。でも、アルコールにこだわる必要はない。
日本には食品会社が極めて多い。地方に行けば、地元で愛されるブランドを持つ老舗メーカーなんかも多い。人口減の時代に入り淘汰が進むけれど、そういう地方でブランド力を持つしょうゆや豆腐のメーカーとわれわれが一緒に取り組めれば、チャンスはあると思っています。
──営業利益の約4割を稼ぐ不動産事業を持つことに対しては否定的な意見があります。