転職人数が増加するなか
「35歳以上」は全体を上回る勢い

35歳以上の人材が転職市場でも引く手あまたになっているようです

 私たちが肌で感じる最近の労働市場の変化として大きいのは、35歳以上の転職が盛り上がっていることです。30代後半はもちろん40代、50代の転職も、もはや珍しくなくなっています。つい先日弊社でも55歳の候補者の転職が決定しました。

 では、労働市場全体としてはどうなのか。有効求人倍率は直近の発表で1.37倍(8月)と高い水準が続いていますが、これは公共職業安定所のデータに基づいた数字です。ダイヤモンド・オンラインの読者層とはあまり一致しないので、読者層の参考となるデータを探すと、日本人材紹介事業協会が年2回発表している「人材紹介大手3社 転職紹介実績」があります。

 こちらはインテリジェンス、ジェイエイシーリクルートメント、リクルートキャリアの人材紹介大手3社の転職紹介人数を半期ごとに取りまとめたものです。このデータによると、2012年上期は3社合計の転職紹介人数が1万6999人で、そのうち「36~40歳」「41歳以上」の区分を合わせた36歳以上の転職紹介人数は3202人。36歳以上のシェアは18.8%でした。

 これに対し、今年のデータはまだ発表されていないので15年上期のデータを見ると、3社合計の転職紹介人数は2万3643人で、うち36歳以上の転職紹介人数は5366人。36歳以上のシェアは22.7%と3年間で約4ポイントの増加となりました。つまり、全体の転職紹介人数が増加するなかで、36歳以上の転職はそれ以上の勢いで増えています。

 ちなみに弊社の転職紹介人数における35歳以上の割合を計算してみても、12年が全体の47%だったのに対し、今年の数字は53%と実に6ポイントアップしています。もともと弊社は30代以上の候補者を主要ターゲットにしているため大手3社のデータより35歳以上の割合が高いのですが、世の中における35歳以上の転職は実数でも割合でも増える傾向にあるといってよいと思います。