数式から現実を再構築できる人は少ない

佐渡島 いろいろお話できてよかったです。「確率」という視点からものごとを見ると違ったものが見えてきますね。

森岡 そうですよね。

 最後に、少し付け加えたいんですが。「数式を自然現象から導き出す」ということを、学者の先生方は結構やっていますよね。でも、その「できあがった数式から現実を再構築する」っていうのは、実務者にしかできないんです。しかし、数式が理解できる実務者って、なかなかいないわけですよ。

佐渡島 なるほど。

森岡 それがなかなかできないわけで。

佐渡島 そうなんですよね。

 だから、たぶん私はその数式を見つけてきて、それを実務に落とすっていうところができるタイプかなとは思っています。うちの会社で使える計算式を探そうっていうのが、今やろうとしてること。でも、そこは自分で作るんじゃなくて、ある種、本当にリアプライできるものを探しているイメージです。

森岡 なるほど。

佐渡島 それは他の業界に絶対あるはずだと思っていて、ウォッチしているんです。

森岡 私たちがしていることも、リアプライですからね。取ってきて、切って、貼って、こうして形にするのはまさにプロデューサーですよね。私たちは、リアプライのプロじゃなければいけないと思うんですよね。クリエイターでなければ、イチから作る必要なんか何もないんです。作らなきゃいけないとき以外は、速いほうがいいに決まってる。

 佐渡島さんとは、なかなか話がつきませんね。また、対談しましょう!

佐渡島 はい!こちらこそ、ありがとうございました。

(おわり)