オレに任せろ
【勘違いタイプ】

 かつて習得した自分のスキルがいまだに最前線で通用すると思っているのがこのタイプ。

 ある自動車ディーラーの若手社員はこう、ため息をつく。

「以前なら、他のメーカーの車の悪い点を多く並べても平気でしたが、今のお客さんは、そういう営業マンはかえって信頼しません。ところが、40代後半の先輩は、いまだに、他社の車の悪口ばかり言っていて、横で見ていても、お客さんが引いてしまっているのが分かります」

 なぜ、若手との間でこのような断絶が起こってしまうのか。大きな違いは、ミドル、シニア社員は、良いモノ、サービスさえ作れば、黙っていても売れた時代を長く経験していることだ。

 客に対してのアプローチだけではない。実は、今、営業の現場では客先の情報や営業のスキルなどをITで共有していることが多い。要は、「チーム」や「コラボ」で仕事を進める姿勢が大事なのだ。

 それにもかかわらず、過去の成功体験だけを誇りにして、自分一人で抱え込むようなやり方を続けていては、若手社員や年下の上司に疎まれてしまう。

 大事なことは、このタイプは自分のやり方にこそこだわっているものの、結果を出したいという前向きな気持ちを持っていることだ。本人のプライドを傷つけないように、チームの一員に加わることを静かに促すことが要となる。

【処方箋

やる気は残っているのだから、そこは尊重する 

チームでの働き方を少しずつ理解してもらう

 気付かれない
【存在感ゼロタイプ】

「怠けたい」と考えているのなら、ある意味、最もお得なのがこのタイプだ。ある新聞社で営業を担当していた30代後半の女性は明かす。

「毎日毎日、朝から晩まで、お茶を飲みながら、新聞を読んでいるんです。どこからどう見ても、何の仕事をしているか分からない。あるとき、別の先輩に聞いてみたら、思い出したように“あ、あの人ね、気にしないでね”と言われました。入社当初こそ、びっくりしましたが、半年ほどたつと、もはや風景の一つという感じで、存在していることを意識しなくなりました」

 一人の人間がそこにいるのに、多くの社員がいない者として扱っているというのは恐ろしい話だが、余裕のある大企業なら、このタイプは意外と多いはずだ。

 若いころ、仕事で失敗したのか、上司に恵まれなかったのか……。このタイプがなぜそうなってしまったのかは、取材をしていても判然としない。他の社員とまともなコミュニケーションをしなくなって長い年月がたっているため、周囲も分からないからだ。

 他のタイプと違って、怠けていることを偽装するのでも、積極的に害をなすのでもない。それだけに、周囲から何かを促して、このタイプに変革を求めるのは、難しいかもしれない。

 しかし、放置しておくのは会社にも本人にもマイナスだ。思い切って話し掛け、過去の話を聞いてあげるのもいいかもしれない。

【処方箋

害がないからと放置するのは良くない

とりあえず、なぜそうなったのか会話して聞いてみる