浮気現場の手紙を公開したボーヴォワール
世間の常識からみると、ぶっとんだ二人の関係ではあるが、二人の認識の中できちんと成立していたようだ。
しかし、サルトル死後、ボーヴォワールはサルトルが書いた「浮気した女性たちとの肉体関係を詳細に綴った手紙」の内容を公開するという鬼畜プレイに出る。
「僕は恥ずかしがる彼女の肩を抱き寄せ、首筋にキスをし……」というような官能小説顔負けの手紙を公開される、というのは現代でいえばリベンジポルノの一種のように思える。
この一件に関して、ボーヴォワールは世間から非難の声も受けたが、ボーヴォワール本人は「けど私たちは必然の関係だから、別に悪いことではない」と終始一貫した見解であったようだ。
イケメンではないが「不良っぽい色気」で生涯モテたサルトル
サルトルはインテリジェンスな面に加え、浮気性だったり、重度のヘビースモーカーだったりと少し不良っぽい面があり、そのギャップからか生涯女性にモテまくった。
書籍「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。」では、そんなサルトルを現代風にし「ガールズバーやタウン誌編集長など幅広いビジネスを手がける中年実業家」としてサルトルを登場させ、その特有の思想に迫っている。
「実存は本質に先立つ」「人は自由の刑に晒されている」などサルトルの残した名言を、哲学の知識が全くなくともわかりやすく理解することができる。
またサルトルが生涯愛したボーヴォワールは、サルトルに「ビーバー」と呼ばれていたので「ビーバーちゃん」というサルトルの彼女も登場する。
浮気性で、特に若い女の子が大好きだったサルトルのインテリジェンスな思想を理解すれば、サルトルのようにモテる男に近づくことができる!?
原田まりる(はらだ・まりる)
作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター
1985年 京都府生まれ。哲学の道の側で育ち高校生時、哲学書に出会い感銘を受ける。京都女子大学中退。著書に、「私の体を鞭打つ言葉」(サンマーク出版)がある