職場での不条理な場面や挫折において励みとなる“生きる意味”を追求した「実存主義哲学者」たちの教え。実存主義哲学を唱えた代表的な哲学者は日本人にも馴染み深いニーチェ他、ショーペンハウアー、キルケゴール、ハイデガー、ヤスパース、サルトルなど。実存主義哲学を代表する哲学の巨人たちが説いた教えと、いま一度向き合ってみてはいかがだろうか。
情熱が欠けると「妬み」が湧いてくる?
実存主義哲学者のキルケゴールの言葉で「情熱をもって生きないと、自分の世界は妬みに支配されてしまう」というものがある。
自分よりも仕事や人生設計が上手くいっている人たちに対し、妬みをもってしまうことはごくごく自然なことである。
しかし、なぜこのような妬ましい気持ちが生まれるのか?
キルケゴールは妬ましい気持ちが生まれてしまう原因のひとつに「情熱不足」を挙げている。
つまり、仕事や人生の時間に対し夢中になれない状態=情熱が不足している状態において、人は妬ましくなるものであるというのだ。
逆説的に考えれば「これが自分の生きがいだ!」と心から情熱を燃やせる対象があれば他人のことを妬ましく思う暇が無いということとも言い換えられる。
他人が羨ましくて仕方がない、という心境に陥ってしまった場合我々が心がけるべきは「妬ましく思う自分を責める」ことではなく、「情熱を燃やせる対象」をみつけることなのだ。