「会社の方針と合わない」と感じたとき、自分がやりやすくなるような環境を作ろうと試みていますか?

決定に関与する立場なのに
「会社の方針と合わない」

「会社の方針と合わない」を理由に退職したり転職を希望されたりする方は、年齢に関わらず常に一定数います。理由そのものに問題はありません。ただ、とくに35歳以上の人の場合、詳しく話を聞いてみると、自分自身が方針を決定する立場の一翼を担っていることがよくあります。その方針が決定されるプロセスで反対や軌道修正を試みようとしたわけでもないのです。

 これで「会社の方針と合わない」といって退職するのは天に唾を吐くようなものですが、本人は気づいていないケースが少なくありません。

 いまいる環境に対し「NO!」と言って辞める人は、何度もそれを繰り返す傾向があります。逆に優秀な人は、自分で自分の環境を変えていきます。自分が働きやすいように上司や会社に働きかけ、場合によっては重要なルールまで変更してしまうのです。

 あるトップコンサルタントは本業で卓越した成果を出すのはもちろん、講演や執筆にも引っ張りだこです。ただし、このコンサルタントが勤務している会社では、社員の講演料や書籍の印税はすべて会社に入り賞与の際に査定分として個人に還元される仕組みになっていました。人事的には正しいやり方と言えますが、ご自身としては釈然としないモヤモヤした不満がありました。

 しかしこのコンサルタントは「講演料や印税がまったく自分の収入にならないのはおかしい」と異議を唱え、本人の収入になるよう交渉し、会社の仕組みを変更させることに成功しました。