トランプが大統領になれば
労組を潰して従業員を追い出すはず

 ラスベガスのステーキハウスとカジノでウェイターとして働くパトリック・アンドリーン(61歳)は、43年間強力な労組の組合員として働き続けてきた、ラッキーなケースだ。

「自分のホテルの職員を脅して低賃金で働かせてリッチになったトランプ。彼が大統領になれば、米国中の職場の労組を潰し、組合員を職場から追いだそうとするはず。うちのステーキハウスでも、ウェイターや厨房のスタッフは1人残らずヒラリーに投票したよ」

 さらに、激戦地ネバダには、全米各地からヒラリー陣営の応援に労組の組合員が「助っ人」として送り込まれていた。カリフォルニア州から投票日の10日前にネバダ入りし、ラスベガス近郊で1日に150件以上の家やアパートを回り、ヒラリーへの投票を直接呼びかけてきたのが、ミゲル・ロドリゲス(35歳)だ。

 彼はロサンゼルスのロヨラ大学のコックとして10年間働いてきた労働組合員だ。糖尿病の合併症で痛む左足を引きずりながらもネバダにやってきたのは、車を運転できない老人や、ベビーシッターがいないため子どもを預けて投票に行けないシングルの親たちを、自分の車で投票所まで連れて行くためでもあった。

「3人の子どもがいるシングルマザーが、初めて会った僕を信頼してくれ、幼い子どもたちを僕に託して投票してくれたときは、ほっとしたよ。普通、見ず知らずの男に子どもを預けるなんて、怖くてできないのに」

「ヒラリーが得られるはずの1票を決して無駄にしたくない」という彼には、メキシコから移民してきた両親がいる。そんな彼が忘れられないトランプの言葉がある。

「『黄色いスクールバスをグリーンバスとして使おう』とトランプは言った。グリーンバスというのは、米国政府がメキシコに違法移民を強制送還する際に使うバスの色なんだ」

 ヒスパニック系の多くのネバダ州民がヒラリーに投票する中、フタを開けてみれば、州民の多くがトランプに投票していた。