自動車と航空機ビジネスに
全精力を集中していく 

 スバルとしては、販売と生産の需給ギャップの解消への米工場増産計画が結果的にトランプ政権でのNAFTAの動向に関わらず、米国現地生産強化計画で米国の雇用に寄与していくということになるわけだ。

 スバルの今期中間決算発表での4~9月中間期営業利益は2085億円(前年同期比766億円減)となったが、このうち円高による減益分が817億円だ。「当社の場合、1円で為替差損が約100億円影響する。為替差損分を除くと、中間期でもプラスとなる。さらに米国生産増強により、来年から現地生産で年間40万台レベルとなって為替感応度が一気に向上する」と、吉永社長。

「選択と集中」という経営戦略を一気に進めたスバルとしては、歴史のある「産業機器事業」からの撤退も決めた。2017年9月末を持って生産・販売を終了する。「来年4月のSUBARUへの社名変更とともに、自動車と航空機ビジネスに全精力を集中していく」(吉永社長)ことになる。

 折しも先月25日に国内発売し、米国工場でも11月から生産開始した新型インプレッサの国内受注台数が月販目標の4倍となる1万1050台と快調な滑り出しを見せている。5年ぶりの全面改良となったインプレッサは、次世代プラットフォームを採用し、「アイサイト」を全車標準装備、さらに国産初の歩行者保護エアバッグを全車標準装備しながら192万2400円と200万円を切る安全性能を求めやすい価格で設定した。受注全体の51%がこれまでスバル車に乗っていない顧客が占めるという。

 筆者も新型インプレッサを試乗したが、質感と走りに加え安全性能の一段の向上でさらにスバル車らしくなったことを実感した。どうやら12月初旬の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」(COTY)の最有力候補がインプレッサらしい。

 先のパリ協定による環境対応、自動運転への対応にスバルとしての開発も積極的に進めており、トヨタとの連動も含めて水平対向のPHVや、EVも開発中だ。吉永体制も来年で6年目となり、最後の仕上げに向けて大事な時期を迎えている。