私は今年、わが母・ミセスパンプキンとともに『一流の育て方』という本を出版したのだが、その関連で、このたび医師の武藤真祐さんとお話する機会を持つことができた。
そこで、武藤さんがこれほどまでにエネルギッシュに活動される原動力はどこからきているのか、そして武藤さんのような主体性のある方はどのように育てられたら生まれるのか、この二点を中心にお話を伺った。そのインタビューをご覧いただきたい。(構成:山本奈緒子)
「昨日の自分と違う自分が今日いる」ことが成長の原動力に
ムーギー いきなりなんですが、私が一番謎に思っているのは、なぜ武藤さんはこんなに幅広く活動されているんですか?ということなんです。というのも武藤さんのプロフィールを見ますと、とにかく肩書が膨大で……。
武藤 あはは、すいません。でも決してあれもこれもと無差別に手を出しているわけではなくて、こういうことをやりたいなという北極星みたいなものは一点、はっきりとあるんですよ。ただしその北極星に向かうルートというのは、たくさんあるわけで。それはITだったりロボットだったり、自分が知らないテクノロジーの進歩やVR(仮想現実)だったり……。
そういうものをどんどん吸収しながら進んでいるので、プロセスはいろいろ変わるんですけど、向かっている先――北極星は昔から変わらないんです。そこさえ変わらずにいれば、人間、すごくフレキシブルでいられるものですよ。
ムーギー なるほど。ではその北極星に向かっていくドライビングフォースは何なのですか?
武藤 一つはやはり、人道的、利他的な面があります。祐ホームクリニックのホームページでも書いているんですが、僕は6歳のとき野口英世の伝記を読んで「自分も困っている人を助けることに一生を捧げたい」と医師を志したんです。それが今の高齢化社会への取り組みにつながっているのですが、実はもう一つドライビングフォースがあって。
それはもっとインターナルなもので、すごくシンプルな言葉ですが、面白いんです。「昨日の自分でない今日の自分がいること」「これからやろうとしていることが分からないこと」そういったことがモチベーションとなって北極星に向かって行っているので、結果的にやることが多岐に渡りますし、場所も様々になってくるんです。