「格安」「お値打ち」「限定」「半額」という言葉に弱く、ついついたくさん買い込んでしまう……という人も多いだろう。ところが、たったひとつの行動で、買い物のムダをなくせるという。どういうことなのだろうか? 『お金持ちはなぜ、靴をピカピカに磨くのか?』(朝日新聞出版)の著者である臼井由妃(うすい・ゆき)氏に寄稿してもらった。
スーパーマーケットで買い物をする際、あなたは「カート」を選びますか? それとも「ショッピングかご」を、選びますか?
場所や時間帯を変え買い物客が「カート」と「かご」のどちらを選ぶのか。私は1年間に渡り観察を続けてきましたが、8割を超える方が「カート」を選んでいました。目の前に「かご」が置かれ、遠くに「カート」が並んでいたとしても、躊躇(ちゅうちょ)することなく多くの方が、「カート」に手を伸ばします。なぜでしょうか?
計画的にまとめ買いをするから「カート」を使うという人や、お米やビールなど重い物を購入するから「カート」を選ぶというのは分かります。問題なのは、「スーパーマーケットでの買い物はカートでするものだ」と決め付けている方や、何となく「カート」に手が伸びている方です。
普通、スーパーマーケットに備えてあるカートは大小、2種類です。耐荷重は20キロ~50キロほどで、抱えきれないほどの品物が入っても軽やかに動くようにできています。だからこそ、見逃した商品を求めて何度も売り場を往復して不要のモノを購入したり、タイムセールの声に促され、「特売品」をいずれ使うからと、大量にゲットしたりと、無意識に必要以上の物を買ってしまうのです。
必要なモノをメモしてから買い物に出かけるという方や、家計管理に自信がある方、「節約家」を自認している方でも、「格安」「お値打ち」「限定」「半額」などというキャッチコピーや、「今買わないと損をする」「今しか手に入らない」と、感じさせるようなセールストークの誘惑に、計算が狂ってしまうでしょう。
そして、レジで精算をする時に「何でこんなに購入したのかしら?」と、われに返り、「またやってしまった」と、ため息をつくのです。