上記のような単純なストレス低減策によるのではなく、働きやすい職場をどのように作っていくのかが最大の目的であり、健全でより良い組織を作るための「組織開発」を実施することが肝要なのではないだろうか。

 それが企業の生産性向上につながり、結果としてストレス軽減を実現することになる。

 健全でより良い組織に向けた実態把握の手段として、集団分析を活用することは有効である。

高ストレス者による面接指導の申し出が少ない

 3番目の労働者のメンタルヘルス不調を未然の防止する、という点では、高ストレス者による面接指導の申し出率は低かった。

 この制度が作られた当初は、高ストレス者の半数が面談指導を申し出ることがイメージされていたようだが、とてもその水準には及んでいない。

 面接指導の申し出が多かったのは、日ごろから産業医による面談や健康相談が一般化している企業や、ストレスチェック実施者が熱心に受診を勧めた企業である。

 私が面接指導した事例では、そのうち7~8%はきちんと医療につなげた方がいいケースだった。

 ストレスチェックの結果は、本人の同意なく事業所に提供されないが、面談を申し出ればその結果が会社側に提供されることになってしまう。やはり自分の高ストレスだという結果を会社側に知られてしまうことを懸念した受検者は多いと思われる。

 つまり、ストレス不調を未然に防止するという目的に対しては、利用しづらい制度になっているといえそうだ。