実は睡眠を促す「コーヒー」の香り
日本睡眠学会所属医師、医学博士。雨晴クリニック(富山県)副院長。睡眠専門医として、20年以上現場に立ち続ける。日本睡眠学会の他、日本スポーツ精神医学会、日本医師会、日本コーチ協会にも所属。ヘルスケア・コーチング研究会代表世話人も務める。1963年生まれ。石川県在住。日本を睡眠先進国にし、睡眠の質を向上させるための指導・普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチの資格を取得し、「睡眠コーチング」を創始。2007年から生活総合情報サイト「All About」の睡眠ガイドとして、インターネット上で睡眠に関する情報を発信中。『脳も体も冴えわたる 1分仮眠法』(すばる舎)、『快眠★目覚めスッキリの習慣』(KADOKAWA)、『能力が5倍アップする 睡眠法』(宝島社)、『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』(三笠書房)など著書多数。
そして、コーヒーの香りも睡眠にはもってこいだ。鎮静効果より覚醒効果のほうが高そうなコーヒーだが、香りを嗅ぐだけならば睡眠を促す効果がある。コーヒーの香りを嗅いだときの脳波を調べると、リラクゼーションの指標であるアルファ波が多く出ていることがわかっているのだ。
ただ、豆の種類によってその効果は異なる。睡眠作用を高めるのは、グアテマラとブルーマウンテン。アルファ波を増やし、気持ちが落ち着いて眠りやすくなる。
また、意外かもしれないが、タマネギの香りにも睡眠を促す効果がある。
過去に私が企画協力したテレビ番組で、いつも昼寝をしないで先生の手を焼かせている幼稚園児に、タマネギの香りを嗅がせ、眠るかどうかを調べたことがあった。
タマネギの香りがない部屋の園児たちはいつも通り眠らずに元気そのものだったが、刻んだタマネギを置いた部屋の園児たちは、ほとんどが自然に昼寝に入っていた。
実は、タマネギの香りに含まれる硫化アリルという物質には、気持ちを落ち着かせ、眠りを誘う効果がある。硫化アリルはタマネギだけでなく、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど、独特の刺激的な香りを放つ食材に多く含まれる。
ただ、香りが強すぎるのは逆効果。タマネギを刻んで部屋に置く場合は、香りがするかしないかくらいの少量でよい。
今回は、すぐに取り入れられる「香り」について紹介した。拙著『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』では、その他にも睡眠の質を上げる方法を多数紹介している。ぜひ、参考にしてほしい。