思考の方向性を意図的に定める

 意図的な創造者となるには、思考の方向性を定める決意をすることです。思考の方向性を意識して選択した場合だけが、引き寄せの作用点に意図的な影響を及ぼせるからです。

 これまでと同じように論じ、観察し、信じ続けているのでは、引き寄せの作用点を変えることはできません。あなたの波動を合わせないといけないのです。

 感情は、あなたが現在放っている波動と、あなたが望んでいるものが持つ波動との差を示します。
 感情は、あなたの波動の内容を理解し、現在の引き寄せの作用点がどこにあるかを正確に知る助けとなります。

 欲しいものについて考えている場合と、それが「ない」状態について考えている場合とを比較して区別するのは難しいものです。ですが、願望について考えたときに湧く感情と、願望が実現していないと考えたときに湧く感情を区別するのは簡単です。
 なぜなら、願望に焦点を定めているとき(そしてあなたが放つ波動がそれを純粋に反映しているとき)は素晴らしい気分になり、欲しいものが「ない」状態に焦点を合わせるとひどい気分になるからです。

「真実」とは
意図的に選択して創造できる

 人は出来事を、善と悪、望むか否か、正しいか間違いかに分類しがちです。

 多くの人は、他人が生み出した認めがたい状況をコントロールしようとするという不可能に挑みます。
 彼らは個人の腕力や気力によって、あるいは団結することで影響力や支配力が増した気になって、自分たちの“無上の幸福”を脅かしかねない状況を変えてその幸福を守ろうとします。

 ですが、望まないものに圧力を加えれば加えるほど、その人の波動は望まないものに近づきます。そうすることで望まないものをいっそう自分の経験に招き入れてしまうことになるのです。

 望まないものがいくつも現れるようになると、望まないものがいかに差し出がましくいやな存在だったかと重ねて実感し、自分は最初から正しかったのだと確信します。
 要するに、望まないはずの信念を擁護すればするほど、引き寄せの法則はその信念の実現を助けようとするものなのです。

 対象にしっかり関心を向ければ、やがてあなたが考え続けてきたことの本質が現れます。他の人がそこに関心を向けることで、現実化がさらに進むのを助けます。
 やがて実現した結果は、望んだものであろうとなかろうと、“真実”と呼ばれます。

 あなたが創造する“真実”は、無条件に選択できると覚えていてください。
 何かを経験する唯一の理由はその対象に関心を向けたからだと理解すれば、誰かが関心を向けたからこそ“真実”が存在するのだと容易に理解できます。

 とすると、あなたが「これは真実だから私はそこに関心を向けないといけない」と思うのは「誰かがその人の望まないことに関心を向け、それによってその対象を自身の経験に招き入れた。誰かがそうしたのだから、私もそうしなければならない」と思うのと同じことです。

 例えば、「この病気は一生治らない」「この試験に合格する人は、ほとんどいない」という他人の信念を、あなたも真実だと受けて止めてしまえば、それがあなたの揺るぎない真実となって現実化してしまうということです。

 あなたが自分の“真実”としていることには素晴らしいものも、そうでないものもあります。
“意図的な創造”とは、自分の“真実”とする経験を意図的に選ぶ作業なのです。