『森のイスキア』主宰・佐藤初女氏のところへは、女優・大竹しのぶさんや、総理大臣夫人・安倍昭恵さんなど数多くの有名人が「おむすび」を学びにくる。
その初女さんが93歳の集大成書籍『限りなく透明に凜として生きる―「日本のマザー・テレサ」が明かす幸せの光―』を出版した。
その中で“お産と限りなく透明”について、初女さんと語り合ったのが現役産婦人科医で胎内記憶の第一人者である池川明氏。このたび、4月17日に1200名を集めて開催された、出版記念講演会での池川氏のスピーチを一部ご紹介する。(構成・池田純子)
お産の瞬間、人も透明になる?
佐藤初女先生を知ったのは映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』が流されて、ずいぶんたってからのことでしょうか。
こういう方もいらっしゃるんだなと思っていて、まさかこのように対談の機会に恵まれるとは思ってもいませんでした。
そして今回の本のテーマが「透明」。
透明といえば、わたしの知り合いでお腹の赤ちゃんとお話ししながらお一人で出産されたTさんという方がおられます。
Tさんは「お産のときに光に包まれて手が透けて見えました」とおっしゃったんですね。
わたしは長年、胎内記憶の研究を続けてきました。
胎内記憶とは、お腹の中にいる赤ちゃんが生まれたときにお腹の中の記憶を語ることです。
科学者の方や産科、小児科の先生は信じない方が多いんですが、出産するお母様方はたくさんの方が信じてくださっていて。
実際にお子さんがお腹の中ではこうだった、ああだったって話しますから。そのようなことをしていますので、お腹の赤ちゃんと会話しながらお産をするというのは、わたしにとって、けっこうふつうのことなんですね。
それで「お産のときに自分が透明になった」とおっしゃったTさんは、人間というのは光なんだ、魂なんだ、そういうものを感じたそうです。
そして、そうやって出産して、そのお子さんもずっとわたしの講演会に来てくれるんですけれど、その子もほんとうにニコニコして、大人の話をずっと聞いている。そういう子に育っているんです。子どものことを100%信じていると、そういうことになるんだろうなと思います。