A氏:「僕は何も細かい仕事の内容を言っているわけではないんだよ。それじゃあ、たとえば会議室の予約って楽しいこと?」

私:「いいえ」

A氏:「そうだろうね、もっと大きく考えてみてほしい」

私:「そうですねぇ、個人というよりもチームで働くのが好きです」

A氏:「どうして?」

私:「お互いをプロフェッショナルと認め合いながら、何か一つの目標に向かって動けるからです。そして、目標を成し遂げられた時、達成感や一体感を感じられる。そういう仕事の醍醐味を感じられるからです」

A氏:「OK」

私:「そんな感じでよろしいでしょうか?」

A氏:「よくわかったよ。それじゃあ、この本部でやってみたいこと、貢献したいことを優先順位のトップに書いてみて。自分で目標を提案してみてほしい。あと、職務内容もね」

私:「は、はい。努力してみます」

A氏:「気楽にね。想像力を使っていろいろと考えてみるんだ。楽しみにしているよ」

 こうして会話は終わりました。今までの上司は「こうしてもらいたい」と期待する秘書像を説明したうえで、目標を書いて秘書に提案をしてくるパターンでしたが、今回は、目標がまったく書かれていなかったのです。

「これは何を意味するのか」と言うと、「自分で目標を作れるぐらいの人材にならなければ一人前にはなれない」ということでした。また、その人の持っている特性や何をしている時に喜びを感じるのか、ということを確認しておきたかったのでしょう。