モデルルームに行列のできるマンションが複数登場していることを、ご存知でしょうか。

 景気の先行指標でもある株価は回復傾向ですが、今年のマンション市況の先行きに関心が集まっています。果たしてマンションは買い時なのか、まだ待つべきなのか。買うならどのマンションを買うべきなのか。そして、すでに買ってしまった人はどうするべきか。

 今週の『週刊ダイヤモンド』は、マンション購入希望者、すでにマンションを購入された方に向け、「いかに資産価値を落とさずに済むのか」という点に軸を置いて、構成しています。

 市況の流れを解説すると、2010年は08年秋の金融危機を契機にドン底に落ち込んだマンション市況が底打ちした年でした。価格下落で「お買い得感」が出たうえに、好立地物件など良質なマンションが供給され、そこに「そろそろ欲しい」と待ち構えていた層が飛びついたのです。各種の優遇税制や低金利も、それを後押ししています。

 こうした流れは続くのか、終わるのか。本誌では徹底した現地取材や関係取材を行ない、その答えを求めました。

 モデルルームを見学するのに1ヵ月待つマンション、昨年はさっぱり売れなかった郊外物件なのに成約を示す赤いバラが舞っているマンションなど、驚きの実態をお伝えし、これが「ミニバブル」なのか、「本格回復の兆候」なのかを検証します。

 恒例の首都圏、近畿圏で発売中の「注目マンションのランキング」も作成したので、併せてご覧ください。

 また今回は、昨今ニーズの高まっている中古マンションにも焦点を当て、中古マンションランキング、リノベーションの極意も掲載しています。 前述のマンション販売を後押しする制度では、改正された贈与税など優遇税制や低金利ローンを解説。贈与では、なんと1億6000万円まで無税でおカネをもうらことができる道も開かれました。

 すでにマンションに住まわれている方に必見なのが「管理編」。資産価値を守る管理の極意を多様な切り口で解説しています。今号では、管理会社の騙しの手口など、悪徳業者の実態にも迫ります。

 もちろん、恒例の「マンション管理会社実力ランキング」も掲載しておりますので、自宅マンションの管理状況などと比べながら、ご確認ください。

 いずれにせよ、多くの人にとってマンションは人生で最大の買い物であり、最大の資産です。そのマンションの購入や維持管理に、本誌がお役に立ててれば幸いです。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木 豪)