自宅に自動車整備士を呼び
修理を頼めるサービスまで

自宅に整備士を呼べるサービス「Your Mechanic」と、提供するYour Mechanic社

 カーシェアリングもいいが、車社会のLAでは、ほとんどの住民がマイカーを持っている。マイカーの修理とメンテナンスは車社会のアメリカでは巨大な市場だ。

 そんな中で、「客が自分の家にアプリで自動車整備士を呼び、自宅でマイカーを修理してもらえる」というサービスを提供するのが、シリコンバレーのスタートアップ企業「ユア・メカニック」だ。現在、米国内2500都市で修理を展開しており、スパークプラグの取替から、エンジンの不具合の修理まで、500種類以上を、同社と契約しているフリーランスの整備士が担当する。

「ディーラーに修理を頼むと、価格が高い上に、担当する整備士とは直接話せないし、プロセスが不透明。だからそんな問題を解決したかった」と話すのは同社広報のリー・フロリダ氏だ。

 アプリやネット画面で、客が自分の車の車種や年式、修理して欲しい点を打ち込むと、同地域で働く整備士たちのプロフィールが表示される。その中から1人を選び、2~3日先の予約をすることが可能で、整備士が客の元へ必要な修理道具を持って出張し、その場で修理してくれる。

 故障の原因がわからない場合は、検査も予約できる。問題点が特定されると、修理する前に、費用がいくらになるかがアプリ上に表示される。各整備士が得意とする修理の内容や、どのメーカーの車が専門であるかなどの項目についても予約前にわかるから安心だ。また、各整備士に客がつけた評価も5段階で表示されるため、誰を呼ぶか、じっくり吟味してから予約できる。

 料金は修理の項目ごとに決まっており、同じ修理であれば、どの整備士を呼んでも一律料金である。

「ディーラーでマイカーを修理した経験がある人なら、誰でも予期せぬ追加料金にうんざりしたことがあるはず。弊社はそれがないので安心できる。さらに、修理光景を目の前で見ることができるので、疑問があればその場で整備士にどんどん質問してほしい」と同社。毎日夜9時まで営業しているため、ディーラーよりも予約できる時間の幅が大きいのも利点だ。

 サンフランシスコのテッククランチのコンテストで優勝した同社の創設者、アート・アグラワル氏は自動車業界の出身ではない。90年製の愛車ホンダアコードを何度も修理に出すうちに、「ディーラーのサービスよりも安く、料金設定が明確なサービスがあればいいのに……」と思った経験が起業の理由だ。同社は、ソフトバンクやその他の投資会社から合計3200万ドル(約38億円)の資金を得て、社員90人と数千人の契約整備士を抱えている。

 さらに、もう1つ、ショー会場で注目されていたのが、消防車や救急車の交通事故を防ぐためのサービス「ハースアラート」だ。

 ハース社のCEOのコーリー・ホース氏は、シカゴの交差点で二輪車に乗っていた際、救急車に追突された経験がある。「たまたまサイレンを鳴らしていない救急車だったから、その存在に気がつかなかった。もう少しで死ぬところだった」と交通事故時の恐怖体験を語るホース氏。